とれまがファイナンス - 第21回 成長と拡大を履き違える経営者 - 格差社会と闘う投資術

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格差社会と闘う投資術

格差社会と闘う投資術 さふぁいあ

機関投資家としてガッチガチのファンダメンタル投資を経験後、何故か短期のデイトレードをしている異色のトレーダー。自ら考え、格差社会と闘う術を学ぼう!

07月13日 20時12分

第21回 成長と拡大を履き違える経営者

 

 要点:上場企業の成長は一株当たり利益の増加にあり


 PER10倍での自社株買いは純利益率10%の事業に投資することに等しい。これは第6回のコラムで一度説明した話。逆に言えばPER10倍で公募をするのならば、最低でも10%の利益を生み出すような事業に投資するのでなければ、財務戦略上株主に取ってマイナスになる。希薄化以上の利益成長を伴わない増資は、上場企業の経営として悪なのだ。

 しかし現在の日本市場では投下資本に対する利益が不明瞭なのにも関わらず、あまりにも安い株価で公募増資を行う企業が後を絶たない。売上や利益を拡大できる投資案件は経営者として誘惑に駆られるものではあるが、上場会社の成長とは「一株当たり利益」および「一株当たり配当」の増加であり、規模の拡大とは明確に異なる。どれほど規模を拡大し時価総額が増加しようが、それ以上の株式の希薄化が伴っては成長とは呼べないのである。
 

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