とれまがファイナンス - 第4回　株価指数は景気の先行指標 - 格差社会と闘う投資術

　景気が悪い時期は企業に設備投資を促し、個人に資金を借りて消費や投資をしてもらえるように中央銀行は金利を下げます。十分に金利が下がってお金が流れ始めると、個人消費が増え、企業の利益が増え、給料も上がりまた消費が増えるという好循環が生まれてきます。これが不況から好況へ景気が変化していく時期です。不況から好況へ移る局面は金利が低いため預金や国債への魅力が低いのに対し、株式や不動産の魅力が高まります。企業の利益が伸びるため株価も上がり、地価も景気に連動して上昇してくるためです。

　しかし経済が過熱しすぎると今度は物価の高騰、いわゆるインフレという別の問題が出てきます。物価が加速して通貨の価値が暴落するような状態になると国家崩壊の危機になるため、それを防ぐために景気が良くなりすぎないうちに中央銀行は金利を上げていきます。

　金利が上がると企業は新規の設備投資を抑制し、借金を返し始めます。個人もまた消費を抑えて高金利の定期預金や債券投資にお金を回し始めます。消費が落ち、企業の利益が徐々に落ち始めると給料が減り、さらに消費が落ちるという不況のスパイラルに入ります。好況から不況に移る局面は金利が高いため預金や国債への魅力が高いのに対し、株式や不動産から資金がどんどん逃げていきます。

　これが金利を中心とした景気循環の大きな流れ。その中で株式投資が成功しやすいのは不況から好況へと移る局面、逆に株式投資で失敗しがちなのは好況から不況へと移る局面ということになります。