07月31日 01時40分
セラピストは母親の懺悔を遮り、身を屈め、少年にゆっくりと話しかけた。
「下着を盗んだり、女の子のパンツを脱がしたりしたんやてなァ……」
少年は視線をそらせたまま小さくうなずいた。藤田先生と母親は少年に注目した。
「あれなァ……」セラピストは、思い切った。「気持ちよかったやろ?」
少年は少し驚いた顔でセラピストを見た。藤田先生と母親も同じ顔になった。
「先生もな、中学のときに隣のお姉さんのパンツを盗んでなァ……。見つかってえらい目におうたんやなァ、これが」
セラピストがニンマリすると、少年も笑みを浮かべた。藤田先生と母親は驚顔のまま凍った。
「それでな……、キミ、家に帰ってから、したか?」
「なにを?」少年は不思議そうな顔をした。
「なにをて、アレやんかアレ、シコシコ」
「……ウン」少年は恥ずかしそうにうなずいた。
「そうか!気持ちよかったやろうなァ……。で、一日に何回?」
「エ?……ときどき、一回だけ……」
「エ~ッ!ときどき!それもたった一回!なんともったいないことを……。先生なんかキミくらいのときは毎日しとったで。それも一日に六回とかな」
「ホント?」少年は関心をもった驚顔でセラピストを凝視した。藤田先生と母親は引きつった驚顔を見せた。
「キミくらいのときはナンボでも立つし、またよう飛ぶしなァ……」
少年はニコニコしながら、セラピストの話を、適時受け流しながら聞き続けた。
セラピストは、藤田先生と母親がいつ失神するかと心配したが、やがて二人の顔が輝きはじめたのを知った。
二人とも、少年がセラピストの目を見ていきいきと交流していることに、やっと気がついてくれたようである。
ここにいたって、どうにかセラピストは安心した。とっさのこととはいえ、下手をすると藤田先生と母親の気持ちをセラピストから遠ざけてしまいかねない危険を犯していたからである。