とれまがファイナンス - 第7回 株主資本はタダではない 後編 - 格差社会と闘う投資術

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格差社会と闘う投資術

格差社会と闘う投資術 さふぁいあ

機関投資家としてガッチガチのファンダメンタル投資を経験後、何故か短期のデイトレードをしている異色のトレーダー。自ら考え、格差社会と闘う術を学ぼう!

12月21日 14時38分

第7回 株主資本はタダではない 後編

 さて3のフリーキャッシュフローが多いという項目。これはちょっと難しい内容を含むので少し話が長くなりますがお付き合いください。

 キャッシュフローというのは読んで字の如く、会社の現金の流れのことです。損益計算書の上で会社が稼いでいる利益が、そのまま現金として会社に入ってくるかというとそれは間違い。キャッシュフローを考える上で大事なポイントは投資と減価償却の2つです。

 会社が利益を出すために10年間使える機械を100億円で購入したという例を考えてみます。しかし100億円という投資にかかった費用を初年度に全額計上してしまうと、最初の年はとんでもない大赤字、逆に翌年からは費用のかからない機械を使えることで黒字が大きくなります。こういう会計では会社の実態を正しく理解できないということから、100億円の設備を10年使えるなら毎年10億円ずつ費用として計上しようということになりました。これが減価償却という考え方です。

 しかしキャッシュフローの流れはそれとは異なります。初年度に100億円の機械を購入したので当然初年度に100億円のマイナスが生じます。しかし翌年度からは損益計算書上で10億円の費用が発生しているのですが、減価償却費というものは初年度以外は実際にキャッシュが出ていくことはありません。そのため損益計算書上で税金を支払った後の純利益という数字よりも会社に残るキャッシュは減価償却費の分だけ多くなります。
 

この記事へのコメント(3件)

  • >1:追証君12月22日 22時36分 vFB90B/Q6SaY2/HR

    こんばんわ。
    とてもわかり易い解説でした。
    ぼんくらな私でも理解できました。
    私も、自社株買いの実績のある会社に投資
    してきました。
    ローム(6963)です。
    でも、惨憺たる状況です。
    昨年も株価1万円前後でかなり自社株買いを
    発表していましたが、株価、急降下です。
    いい会社だと思うのですが、半導体不況には
    勝てないですね。

  • >2:両建て命01月01日 02時10分 OJAQH1qx.9K4Ptdz

    さふぁいあさん、今晩は。自社株買いの解説どうもありがとうございました。大変参考になりました。減価償却費は資産の耐用年数によって変わってくるので、そのあたりもポイントですよね。

  • >3:愛と遊牧民01月02日 12時32分 uh.LXrpJpDyOT4C3

    最近さふぁいあさんのブログを知りました。
    お人柄が伝わってきます。読んでて嬉しくなりました。

    私は投資ではまだまだ初心者の部類で、経済や会計についても素人ですので、本当にありがたく読ませて頂きました。

    株式投資はよく魚釣りに例えられたりしますが、さふぁいあさんはブログで「つりざおの作り方」や「良い漁場の特徴や見分け方」を教えようとして下さっているように感じました。

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