とれまがファイナンス - 来週の相場見通し/手探りで戻りを試す展開がメインシナリオ - カブ知恵速報

来週の日経平均は外部環境が劇的な悪化とならない限り、戻りを試す可能性が高そうです。今週は200日移動平均線（12日現在、9961.00円）を割り込む場面がありましたが、早期にこれを回復しました。また、12月ＳＱ値（9982.59円）を割り込みましたが、これも12日終値は上回っています。

このため、１月15日の10982.10円からの調整は、２月９日の9867.39円でいったん終了したと考えます。今後は、少なくとも、２月３日と４日とで空けた窓（10279.57円～10356.03円）を埋めにいき、最終的には、25日移動平均線（12日現在、10473.48円）を試すと考えています。

ただし、外部環境は欧州をはじめ不透明感が強いことも事実です。このため、欧米発の悪材料が飛び出し、円高が急速に進んだり、欧米株が急落したりするようだと、再び、底値模索の展開なることは十分考えられます。やや大雑把にいえば、12月のＳＱ値を上回っている限り強気、割り込んだら弱気転換です。

ほぼ一巡した主力企業の第３四半期決算及び通期業績見通しは概ね良好でした。しかし、この好業績は１月15日までの上昇でほぼ織り込み済みでしょう。このため、好業績を材料にもう一段の上昇は期待薄とみています。あくまでも、中期的な調整局面の中での短期的なリバウンドが９日の安値を起点に始まったとの認識です。その終点は取り敢えず、日経平均の25日移動平均線とみています。

なお、内閣府は15日に10～12月期の実質ＧＤＰを公表する予定です。市場予想コンセンサスは前期比0.9％増と、３四半期連続でのプラス成長を見込んでいます。これが大きく上下にブレた場合は、相場のかく乱要因になるでしょう。また、17～18日の日銀の金融政策決定会合で、なんらかのサプライズがあっても、相場は大きく動く可能性があります。

さらに、ギリシャへの救済策は15日～16日にブリュッセルで開催されるＥＵ財務相会議で決定され、その後、公表されるようです。この内容次第では、来週の世界の株式市場の上下共に波乱要因となるかもしれません。

不確定要素の多い投資環境下、来週は、日米共に、手探りで戻りを試す展開がメインシナリオです。日経平均の想定レンジは9900円～10400円です。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）