08月15日 00時08分
久しぶりに会った少女は、また過食・嘔吐がぶり返して困っていると暗い表情嘆いた。少女と言っても年は二三。
しかしその小柄なからだつきから受ける印象だけでなく、少女としか形容のしようがない可憐な雰囲気を漂わせていた。
言われてみればどことなくやつれたようにも見えたが、五年前、体重が20キロを割りそうになって家族や主治医をあわてさせた頃と比べれば、それでも別人のように元気そうであった。
「親元を離れての生活にはもうすっかり慣れたんですけど……」少女は自分が自立していることをさりげなく訴えた。「でもなんとなく漠然とした不安が……」
「それでついつい過食に走ってつかの間の安らぎをえている?」
「いいえ、そうじゃないんです」少女はセラピストの決めつけを即座に否定した。「うまく言えませんが、今の安定した生活を壊してしまいたくなるような気持ちというのでしょうか、コンビニで山のように積まれた食べ物を前にして、あァ以前の私は身も心もボロボロだったなんて思いだすと、まるでもう一度その時に帰ろうとするかのように、ついつい買い物カゴを食物で一杯にしてしまうんです。その時、防波堤が崩れてしまうような破壊の快感があるんですよ。でも家に帰って食べてるときは頭のなかが真っ白で、あとはフーフーしんどいだけ。私ってマゾなんでしょうか?なんとか過食をやめさせてください」