とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/指数はもみあい、資金繰り対策拡充でリターン・リバーサル相場へ - カブ知恵速報

26日の米国株式市場は続落した。ＮＹダウは前日比88.81ドル安の7182.08ドル、ナスダ ック総合指数は33.96ポイント安の1391.47ポイントで取引を終えた。ロイヤル・バンク・ オブ・スコットランド（ＲＢＳ）が決算と同時に英政府の制度を利用した不良債権処理策 と追加資本注入を発表したことや、オバマ大統領が金融安定化の公的資金枠（7000億ドル） を必要に応じ2500億ドル追加すると明らかにしたことで金融株が買われた。

しかし、オバマ大統領の打ち出した医療保険改革が、高齢者医療保険関連の支出削減につ ながるとの見方が広がったことに加え、米連邦預金保険公社（ＦＤＩＣ）が、問題を抱え る米銀の数が08年第４・四半期末までに252行に達し、95年６月以来の高水準になった ことを明らかにしたことが嫌気された。

また、1月の耐久財受注額が前月比5.2％減と、市場予想の３％減を下回ったことや、１月 の新築住宅販売件数が前月比10.2％減の30万9000戸と、過去最低水準だったことも重石 となった。09年度の米財政赤字が史上最大の1兆7520億ドルに拡大することで、国債の 需給悪化懸念から、10年物国債が売られ、一時3.02％と、9日以来の水準に上昇したこと も悪材料となった。さらに、08年通期決算で最終損益が308億ドルの赤字となったＧＭの 先行き懸念の強まりも、市場センチメントを冷やした。

ＮＹ円相場は４日続落した。前日比1円10銭円安・ドル高の1ドル＝98円45-55銭で取 引を終えた。一時98円72銭と昨年11月10日以来約3カ月ぶりの安値を付けた。円は対 ユーロでは反落した。前日比1円65銭円安・ユーロ高の1ユーロ＝125円45-55銭で取引 を終えた。シカゴ日経平均先物は7405円大証終値比25円安だった。

米国株下落は嫌気されるだろうが、円安と株価対策への期待が相場をサポートする見通し。 日経平均の想定レンジは7300円～7800円程度。基本はもみあいだろう。物色面では、日 本政策投資銀行を通じて実行中の企業向けの低利融資やＣＰ購入額を、３月中に従来の計 ３兆円を４兆5000億円に拡大するとの報道を受け、市場で、資金繰りが厳しいとみられる 企業群が物色される公算が大きい。リターン・リバーサルの色彩が強まるだろう。

なお、株価対策に関しては、27日付け日本経済新聞は、「政府内では株式相場の下支えに向 けた対策が浮上している。民間金融機関の共同出資で設立された「銀行等保有株式取得機 構」の購入対象資産を拡大し、政府保証付きの公的資金で市場から直接、株式などを買い 上げる案が柱だ。従来は銀行が保有する持ち合い株などに限られていたが、市場に流通す る株式や上場投資信託（ＥＴＦ）などに広げる案が出ている。」と報じている。 （株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）