とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/主力株は見送られ、師走相場らしく、仕手系材料株が乱舞 - カブ知恵速報

19日の米国株式市場は３日ぶりに反落、ＮＹダウは前日比98.99ドル安の13251.97ドル、ナスダック総合株価指数は同10.17ポイント安の3044.36ポイントだった。恐怖指数（ＶＩＸ指数）は同1.79（11.50％）高の17.36だった。共和党のベイナー下院議長が、年収100万ドル以下の家計を対象に減税を延長する法案を下院で20日に可決させるとの意向を示した。同案については民主党のオバマ米大統領が拒否権を発動すると伝わっている。「財政の崖」を巡る与野党協議が近くまとまるとの期待が後退し、決裂リスクが意識された。

ＮＹ円相場は３日続落し、前日比20銭円安・ドル高の１ドル＝84円35～45銭で取引を終えた。円は84円62銭と2011年４月12日以来、約１年８カ月ぶりの円安・ドル高水準を付ける場面があった。円は対ユーロで７日続落し、前日比25銭円安・ユーロ高の１ユーロ＝111円60～70銭で終えた。一時は112円59銭と11年８月８日以来、約１年４カ月ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。

ＮＹ原油先物相場は４日続伸した。ＷＴＩ期近の１月物は前日比1.58ドル高の１バレル89.51ドルで取引を終えた。ＮＹ金先物相場は続落した。２月物は前日比3.0ドル安の１トロイオンス1667.7ドルで取引を終えた。

シカゴ日経平均先物３月限（円建て）は10140円大証清算値比40円安だった。

米国株が反落し、20日のオセアニア外国為替市場で、円が対ドルで一時１ドル＝83円台に急伸、対ユーロも110円台に一時突入するなど、若干円高気味のため、これが嫌気されそう。日経平均の想定レンジは10000円～10200円程度。日経平均は17日～19日までの３連騰で422.84円（4.34％）上昇し、さすがにやや過熱気味。このため、本日は利益確定売りが優勢になりそう。今日そこまで下落するかは別として、下値としては、５日移動平均線（19日現在、9878.51円）や、18日と19日とで空けた窓（9967.24円～10016.98円）埋めが意識されよう。

なお、日経平均の上値が重くなるようなら、主力株は見送られ、師走相場らしく、仕手系材料株が乱舞する見通し。基本は、自民党の政策（選挙公約）に沿った材料株が、「国策に売りなし」とばかりに、火柱を上げる公算が大きい。また、材料らしい材料が見当たらない中、値動きだけが材料視されたり、「昔の名前で出ています」ではないが、往年の仕手株も株価がピクつけば、日替わりで物色される可能性が高い。いずれにせよ、ここまでの相場急騰で、投資家の物色意欲は非常に強まっている。「掉尾の一振」を期待し、大納会まで、「餅代稼ぎ」に走る短期筋が急増することだろう。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）