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マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵

12月15日 10時42分

来週の為替見通し/レンジは1ドル=82.84-85.00円を想定

 今週の円相場はさえない展開となった。8日にモンティ・イタリア首相が辞意を表明したことを受けて、イタリアの緊縮財政路線に先行き不透明感が浮上し、対ユーロ中心に円買いが先行した。一時82.115円まで値を上げた。ただ、関係者の話として「日銀は19-20日の金融政策決定会合で追加緩和を検討する」と伝わると、一転円売りが強まった。12月独ZEW景況感指数が予想を上回ったほか、「ギリシャは国債買い戻しの目標を達成できる見通し」と伝わり、欧州の景気減速や債務問題への懸念が後退。

米WSJが「財政の崖を巡る協議に進展が見られ、数日中により実質的なものになる」などと報じ、「財政の崖」回避に向けて楽観的な見方も広がったため、世界的に株高が進み円売りを後押しした。83.00円のバリアオプション突破を狙った仕掛け的な円売りが持ち込まれたうえ、米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で「ツイスト・オペ終了後に月額450億ドルの長期国債を購入する」など金融緩和の強化に踏み切り、投資家のリスク志向が高まったことで円が一段と売られた。3月21日以来の安値となる83.96円まで値を下げた。

 来週、米国では17日に12月ニューヨーク連銀製造業景気指数、10月証券投資動向、18日に7-9月期経常収支、19日に11月住宅着工件数、11月建設許可件数、20日に7-9月期国内総生産(GDP)確定値、新規失業保険申請件数、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、11月中古住宅販売件数、10月住宅価格指数、11月景気先行指標総合指数、21日に11月個人消費支出(PCE)、11月個人所得、11月PCEコアデフレータ、11月耐久財受注額、12月消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)が発表される。

 また、米財務省は17日に2年債、18日に5年債、19日に7年債、20日に5年物インフレ指数連動債(TIPS)の入札を行う。

 一方、日本では19日に11月貿易統計(通関ベース)、10月全産業活動指数、10月景気動向指数改定値が公表される。20日には日銀金融政策決定会合終了後に政策金利が発表されるほか、白川方明日銀総裁の定例記者会見が予定されている。21日に対外対内証券売買契約等の状況、日銀金融経済月報が明らかとなる。

 来週の円相場は軟調に推移しそうだ。レンジは1ドル=82.84-85.00円を想定している。11月下旬から続いた11月28日の高値81.68円と11月22日の安値82.84円のレンジ相場を下方向に抜けており、チャート的に売られやすい状況だ。10日には「日銀は19-20日の金融政策決定会合で追加緩和を検討する」「緩和手段は資産買入等の基金の10兆円程度の増額が軸になる」などと報じられ、追加金融緩和への期待も高まっている。3月15日の年初来安値84.187円を下抜ければ、2011年の安値(4月6日)85.53円が視野に入る。

ただ、下値では50銭刻みで設定されているバリアオプションの防戦買いを巡り、神経質な値動きとなるだろう。日銀の追加金融緩和が想定の範囲内に留まれば、材料出尽くしとして円買い戻しが入る可能性もあり留意が必要だ。

 もっとも、来週の早朝は16日投開票の衆院選の結果次第となりそうだ。日経新聞は13日に「自民党は公明党と合わせ300議席をうかがう勢い」との世論調査を伝えた。選挙結果に波乱がなければ、日銀の強力な金融緩和策への期待から円売りが先行する場合と、材料出尽くしとして円買い戻しが加速する両方の場合が考えられる。自民党の獲得議席が伸び悩めば、日銀への金融緩和圧力が和らぐとして円買いが優勢となるだろう。

(グローバルインフォ株式会社)

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