とれまがファイナンス - 来週の為替見通し/1ドル＝87.90－90.20円を想定 - カブ知恵速報

今週の円相場は大幅高。バーナンキ米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長が24日、議会証言で、異例の低金利を長期間維持するとの見方を示すと、米公定歩合引き上げを受けて高まった早期利上げ観測が後退したため円買い・ドル売りが入った。

対ユーロで国内輸出企業からの円買いが大量に持ち込まれたことも円・ドル相場を押し上げた。弱い米経済指標を受けて米国株が下落すると、リスク資産圧縮目的で円が買われ、25日に88.80円と4日以来の高値を付けた。

　来週、米国では1日に1月個人所得、1月個人消費支出(ＰＣＥ)、2月ＩＳＭ製造業景況指数、1月建設支出、2日に米地区連銀経済報告（ベージュブック）、3日にはＭＢＡ住宅ローン申請指数、2月チャレンジャー人員削減数、2月ＡＤＰ雇用統計、2月ＩＳＭ非製造業景況指数(総合)、4日に10-12月期非農業部門労働生産性・改定値、新規失業保険申請件数、1月米製造業新規受注、1月住宅販売保留指数、5日に2月雇用統計、1月消費者信用残高などが発表される。

また、ボルカー米経済再生諮問会議議長、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、ロックハート米アトランタ連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁が講演を行う。

　一方、日本では2日に1月全世帯家計調査、1月失業率、1月有効求人倍率、2月マネタリーベース、3日に1月毎月勤労統計調査、4日に10-12月期法人企業統計調査などが公表される。

　来週は、米雇用統計への注目が集まる。現時点での予想では失業率が9.8％と前月の9.7％から上昇となっているほか、非農業部門雇用者数も3万人減と前月の2万人減から悪化する見込み。

今月発表された新規失業保険申請件数や、今週の米経済指標が予想よりも弱い内容が目立ったことを踏まえると、予想が更に悪化する方向で変更される可能性がある。また、予想に影響度の大きいＡＤＰ雇用統計には注意が必要だ。その他、ベージュブックでは各地域の経済活動の状況を確認する必要がある。

来週の円相場はじり高の展開となりそうだ。今週発表の米経済指標は弱い内容が多く、来週の米経済指標への警戒感が高まっている。米国株の上値が抑えられ、リスク資産圧縮目的で円が買われやすいだろう。

対ユーロでは引き続き南欧のソブリンリスクを背景とした円買いが入りやすいほか、3月期末に向けた海外資産の引き揚げに伴う円買いも円・ドルを支えそうだ。米雇用指標が強い内容でも、ＦＲＢ当局者が再三、低金利政策が継続する旨の発言を行っており、早期引き締めをはやした円売り・ドル買いは限定的だろう。1ドル＝87.90－90.20円を想定している。

（グローバルインフォ株式会社）