とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/欧州経済圏への不安が強く、日経の上値は重い - カブ知恵速報

５日の米国株式市場では、ＮＹダウは３日ぶりに小反発です。前日比10.05ドル高の10012.23ドルで取引を終えました。ナスダック総合指数は同15.69ポイント高の2141.12ポイントで取引を終えました。ＮＹダウは一時9835.09ドルまで下落しましたが、引けにかけ急速に買い戻され、小幅プラ転しました。

１月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月から２万人減少したことは嫌気されました。しかし、失業率が前月の10.0％から9.7％に改善したことや、週当たりの労働時間や平均時給が増加したことが評価されました。

ＮＹ円相場は反落です。前日比20銭円安・ドル高の１ドル＝89円20～30銭で取引を終えました。円は対ユーロで小幅に続伸です。前日比15銭円高・ユーロ安の１ユーロ＝122円ちょうど～10銭で取引を終えました。一時120円70銭と、09年２月24日以来約１年ぶりの高値を付けました。

ＮＹ原油先物相場は３日続落です。ＷＴＩ期近の３月物は前日比1.95ドル安の１バレル71.19ドルで取引を終えました。ＮＹ金先物相場は３日続落です。４月物は前日比10.2ドル安の１トロイオンス1052.8ドルで取引を終えました。シカゴ日経平均先物（円建て）は9975円大証終値比85円安でした。

６日まで開催されたＧ７財務相・中央銀行総裁会議では、金融機関も責任のコストを負担する必要があること、景気刺激策を続ける必要性、為替安定をめざす方針などが表明されました。

週末の米株が安値から戻ったことはプラス材料ですが、円高基調が続いているため、日経平均の上値は重そうです。本日の想定レンジは9800円～10200円程度です。Ｇ７では、ギリシャの財政悪化問題に関しては、欧州が域内で対応することを確約し、ＩＭＦの力を借りない方針を示したようです。しかし、具体策が示されていません。このため、ユーロは下落し続ける可能性が高いでしょう。

また、欧州株の下落基調継続も懸念されます。日経平均の12月ＳＱ値は9982.59円です。本日以降終値でこれを割り込むようだと、下落ピッチが加速する展開を想定します。裁定解消売りと信用買い方の追証絡みの投売りが、下落相場に拍車を掛けるとみています。 （株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）