とれまがファイナンス - 来週の相場見通し/アイランドリバーサルトップ出現、下落トレンド発生 - カブ知恵速報

以前から市場で懸念要因として意識されていた南欧の財政悪化懸念が、４日突如として、株価急落、ユーロ急落の主因となりました。また、米国でも、雇用悪化への警戒感が一段と強まっています。

さらに、６日までＧ７財務相・中央銀行総裁会議が開かれる予定です。ここでは、金融機関に対する新たな規制や、枠組みなどが話し合われる見通しです。踏み込んだ具体的なものは出てこないとみられます。しかし、政策当局が金融機関にリスクを取らせないようにするのなら、これは、市場からのリスク・マネー流出に直結するので、ネガティブ材料となり得るでしょう。

足元で主力企業の第３四半期決算が相次いでいます。総じて好調ですが、好決算発表後、好材料出尽くしで売られる銘柄が散見されていたところをみると、09年度の好業績は日経平均で、１月15日の10982.10円までの上昇で完全に織り込んだとみておく必要があるでしょう。つまり、業績絡みの期待が盛り上がるのは、３月～４月以降ということになりそうです。

ところで、日経平均の日足チャートで、「アイランドリバーサルトップ」が出現しました。これは、日経平均が上げトレンドのときに、窓（今回は２月１日の10224.83円～２月２日の10287.74円）を空けて上げた後、暫く揉み合い、先の窓と同じ水準に窓（今回は５日の10162.34円～４日の10279.57円）を空けて下げた時に、高値圏となる離れ小島（今回は２月３日～４日の３本の日足）が出来たようにみえます。この「アイランドリバーサルトップ」は、上げトレンドが下げトレンドに反転する時のサインになることが多いことから、このように呼ばれています。

テクニカル的には、09年11月27日の9076．41円から今年1月15日までの上昇幅（1905．69円）の61.8％押しの9804．38円や、200日移動平均線（５日現在、9937.63円）などは、下値メドとして意識されるでしょう。

ですが、外部環境が改善しない（具体的には、欧米株が下げ止まらず、円高が進む、若しくは、中国株が下げ止まらない等）場合は、昨年12月２日と３日とで空けた窓（9643.32円～9707.02円）を目指し、ここでも止まらないようなら、全値戻しの昨年11月27日の9076.41円が視野に入るかも知れません。

相場が反転上昇するには、欧米株式市場が本格的な反発局面に入るか、円安に急反転することが必要でしょう。また、テクニカル的には、４日と５日とで空けた窓を埋め切り、「アイランドリバーサルトップ」を否定することが必要とみています。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）