とれまがファイナンス - 来週の相場見通し/個人好みの中小型株に、物色の矛先が向かう公算大 - カブ知恵速報

外国人投資家からと観測されるコア30を中心とした買いが継続し、日経平均は連日で昨年来高値を更新しました。なお、この水準では利益確定や、ヤレヤレ売りも相当出たようで、東証１部の売買代金は概算１兆8373億円と、ＳＱ算出日を除くと09年10月29日以来、約２カ月半ぶりの高水準となりました。ここから上を追うには、売買代金の増加が必要でしょう。

来週の日経平均の想定レンジは10700円～11500円程度です。引き続き、円相場と米株動向といった外部環境に対して神経質な動きを続けるでしょう。なお、１月ＳＱ値（10798.75円）、５日移動平均線（15日現在、10860.45円）を上回って推移する限り、上昇相場が継続すると考えます。逆に、これらを下回ると、日経平均は調整色を強めるでしょう。これらを下回るケースでは、米株下落、円高進行が主因となる見通しです。

物色面では、ここにきて、メガバンクの強い動きが目立っています。メガバンクは個人投資家が現物及び信用で大量に抱えているとみられています。メガバンクが今後も強い動きを続けるようなら、特に、信用個人の投資マインドが大幅に改善することになるでしょう。なお、三井住友ＦＧ（8316）の公募価格決定日は来週20日（水）から22日（金）までのいずれかの日です。この値決めで、完全なアク抜けとなることが期待されます。

一方、先駆して上げてきた国際優良株に関しては、米株のもう一段の上昇や、円相場の一段の円安進行などの好材料による後押しが必要とみています。仮に、外国人投資家の買いが来週入り続けたとしても、国内機関投資家の売りが現在及び上の水準では相当量出てくることが予想されます。このため、国際優良株に関しては、上がるにしても一本調子の上昇は見込めないとみています。

足元の相場上昇はコア30を中心にした大型株に牽引された上昇であり、物色銘柄に広がりが未だ確認できません。しかし、先述のように個人が大量に抱えているであろうメガバンクの株価が上昇しつつあるため、個人好みの中小型株に、物色の矛先が向かう可能性が高まっています。中小型株が来週物色されるようなら、日経平均等株価指数が膠着感を強めたとしても、相場の体感温度は一段と上昇することが予想されます。

機関投資家・外国人投資家好みの国際優良株に投資している個人投資家以外の多くの個人投資家は、今年に入ってからの上昇に上手く乗れていないとみられます。しかし、日経平均は非常に強い動きを続けています。このため、何を買えばいいのかと焦る多くの個人は、今年に入って出遅れている中小型株に着目する公算が大きいとみています。週末のチャートブックの売れ行きが好調で、売り切れ続出になるようなら、その確度は一段と高まると考えています。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）