07月29日 15時41分
セラピストはこれまで、いわゆる「非行」の問題を扱ったことがないわけではない。
しかしこの種の「性的非行」というのは経験がなかったこともあり、また、セラピスト自身の価値観として、「性的な犯罪(強姦や痴漢行為など)は最低である」との思いも強く、本当は引き受けたくなかった。
セラピストはまだ、この種の「問題」から自由ではなかったのである。
むしろ、セラピスト自ら積極的にその少年を問題視しそうで、チョット怖かった。
セラピストは経験上、自分が心から「問題」と認定してしまったケースの治療で成功したためしがなかったのである。
しかし、そのように難しそうなケースでも、また、たとえ一度きりの面接でも、「問題を含んだ状況」になんらかの一石(たとえそれが束の間の安心であったとしても)を投じることはできるかもしれない……。
たまには冒険するのもエエじゃないか!
それに、「問題」というのは、「聞くと見るとで大違い」ということがしょっちゅうのことであるし……。
つづく