
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
11月21日 15時24分
来週の為替見通し/1ドル=115.45-120.00円を想定
今週の円相場は軟調。7-9月期国内総生産(GDP)速報値が予想に反してマイナス成長となり一時売りで反応したものの、その後は日経平均株価の下落を手掛かりに買い戻された。一時は115.45円まで上昇する場面も見られた。もっとも、買いが一巡すると米長期金利の上昇に伴って次第に円売り・ドル買いが優勢となった。翌18日以降も売りの流れは継続。安倍首相が記者会見で消費増税の1年半延期と衆院解散を発表すると、材料出尽くしとして買いが入る場面があったものの、その後は米金利上昇を受けて再び売りに押された。
19日には「アジア系中銀や国内機関投資家からの売りが観測された」との指摘もあるなか、目先の下値目処として意識されていた2007年10月15日安値の117.95円を下抜けてストップロスを誘発し118円台まで下落。20日には一時118.98円と2007年8月9日以来の安値を更新した。ただ、海外時間に入ると足もとで売りが進んだ反動から117.74円まで買い戻しが入るなど、売りの流れも一服した。なお、19日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「インフレ期待の低下に対する懸念」「ドル高に対する影響は限定的」などの見解が示されたものの、目立った反応は見られなかった。
来週、米国は25日に7-9月期米GDP改定値や9月・7-9月期の米住宅価格指数、9月米ケース・シラー住宅価格指数、11月米消費者信頼感指数、11月米リッチモンド連銀製造業景気指数、26日にMBA住宅ローン申請指数、前週分の米新規失業保険申請件数、10月米耐久財受注額、10月米個人消費支出(PCE)、10月米個人所得、10月米PCEコアデフレータ、11月米シカゴ購買部協会景気指数、11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)、10月米住宅販売保留指数、10月米新築住宅販売件数が発表される。また、27日は感謝祭の祝日で米国市場が休場、翌28日も感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引となる。
米国以外では24日に11月独Ifo企業景況感指数、25日に10月31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨や7-9月期独GDP改定値、26日に7-9月期英GDP改定値、27日に11月独雇用統計、28日には10月全国消費者物価指数(CPI)や10月ユーロ圏失業率、11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が公表され、30日にはスイス国立銀行(SNB)の金準備売却禁止の是非を問う国民投票が実施される。
来週の円相場はさえない展開となりそうだ。1ドル=115.45-120.00円を想定している。本邦長期資金にくわえて、今週からは本邦機関投資家や海外中銀なども円の売り手として参入しており、今後も円売り圧力の強い状態は維持されるだろう。目先の下値目処を次々に下抜けたことで2007年6月22日安値の124.14円まで目立った下値目処もなく、今後は119.00円や119.50円、節目の120.00円などに観測されているバリアオプションの防戦買いをこなしながら、徐々に下値を拡大していく展開を見込んでいる。
もっとも、来週は感謝祭の祝日が控えていることから市場参加者が減少する点には注意が必要だろう。流動性の低下で荒い値動きとなりやすいだけではなく、祝日を前に持ち高調整の動きが進めば円の下値も堅くなる可能性がある。米長期金利の動向が足もとで不安定になっていることもあり、ドルの動きと合わせて注目しておきたい。半面、上値では本邦勢だけでも戻り売り意欲は十分に強く、円が買い戻された局面では着実に戻りを売っていきたいところだ。
上値の目処は17日高値の115.45円としているが、18日の安倍首相記者会見後に材料出尽くしとして買われた際の116.33円、19日のFOMC議事要旨公表直後に付けた高値の117.40円、20日高値の117.74円なども戻り売りの水準として意識されるだろう。
(グローバルインフォ株式会社)