
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
10月31日 16時15分
来週の相場見通し/高値圏での推移が見込まれる
10月31日の日経平均は、GPIFの運用比率見直し期待に加え、黒田バーズカが再び火を噴いたことで、急騰した。まず。「約130兆円の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日にも、新しい運用比率の目安を発表する」と報じられた。そして、午後に入り、日銀による追加の金融緩和が伝わると上げが加速。1日の上げ幅としては、2008年10月30日の817.86円高以来、6年ぶりの上げ幅だった。日経平均先物や、金融緩和メリットのある不動産、その他金融、証券、商品先物などを中心に、虚を突かれた売り方が慌てて買い戻しに走った。この結果、日経平均は9月25日につけた年初来高値を更新し、2007年11月2日以来7年ぶりの高値を付けた。また、東証1部の売買代金は4兆1982億円と、SQ算出日を除くと2013年5月24日以来、約1年5カ月ぶりの水準まで膨らんだ。
今週がこのような素晴らしい終わり方となったため、来週の日経平均は米株が急落したり、円相場が急激に円高に振れない限り、高値圏での推移が見込まれる。ただし、足元の上昇が急ピッチだっただけに、スピード調整を挟む可能性は低くはない。それでも、5日移動平均線(31日現在15668.90円)を上回って推移する限り、短期需給は良好な状態が維持され、底堅い動きが期待できるだろう。一方、目先の上値メドは、心理的節目の17000円が意識されそうだ。
ところで、米連邦準備理事会(FRB)は29日に発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で米労働市場の認識を前向きな内容に変更した。市場では、FRBが予想以上に金融引き締めに積極的な「タカ派」だったとの認識が広がり、来年半ばの米利上げ観測が強まった。また、翌30日発表の2014年7~9月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比3.5%増と、市場予想の同3.1%増を上回る伸びとなった。FRBの米景気の順調な回復見通しがこの好調なGDPで裏付けられたことで、米金利の先高観が強まっている。これはドル高・円安要因であり、日銀の追加の金融緩和と合わせて、日本株にはポジティブだ。
ただし、一部のインターネットサイトに「売上高に実態の伴っていないものが紛れている可能性」があると書き込まれたことがきっかけとなり、エナリス(6079)が急落している。また、石山GatewayHoldings(7708)が2013年6月期決算などで粉飾決算をした疑いが強まったとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑で同社を強制調査したことで、同社株にも売りが殺到している。新興市場の財務諸表に対する信頼が揺らぎ、個人の新興離れが懸念される。
こうなってくると、アクティブ個人やイナゴ投資家の好む新興銘柄は、当分、厳しいかもしれない。小型株から中型や大型株への資金シフトが加速する可能性が高そうだ。とりわけ、財務リスクの高い銘柄に関しては、相当な売り圧力がかかるとみておく必要がある。
逆に、好財務、高ROE、高配当利回り、低PER、低PBRなどのメリットのある大型株には、資金が流入する見通しだ。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)