
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
10月10日 15時38分
来週の相場見通し/いったん底打ち後、リバウンドに入る可能性は高い
9日のNYダウは急反落、前日比334.97ドル安の16659.25ドルだった。恐怖指数(VIX指数)は同3.65(24.16%)高だった。欧州景気の悪化や中国の成長鈍化で、世界景気の減速懸念が強まり、景気敏感株中心に嫌気売りが出た。NY円相場は反発し、前日比25銭円高・ドル安の1ドル=107円80~90銭で終えた。一時107円54銭と9月17日以来ほぼ3週ぶりの円高・ドル安水準を付けた。
9日の米10年物国債利回りは前日比0.01%低低下の2.31%だった。一時2.27%と2013年6月19日以来およそ1年4カ月ぶりの低水準を付けた。これがドル安・円高要因となっている。また、米長期金利低下の背景は、世界景気の先行き不透明感だ。これが世界的な株安の主因だ。それにしても、NYダウの乱高下は酷い。7日に272.52ドル(1.60%)安、8日に今年最大の上げ幅の274.83ドル(1.64%)高、そして、9日に13年6月20日以来、約1年3カ月ぶりの大きさで今年最大の334.97ドル(1.97%)安を記録した。
米株のボラティリティーの高まりに加え、米長期金利低下を背景にしたドル安・円高圧力の高まりを受け、日本株のボラも上昇し、且つ、円高と世界的な株安を嫌気した売り圧力で、下落トレンドが出ている。日経平均は10日に15221.83円を付け、9日の安値15461.09円を割り込み、連日で直近安値を更新した。上値抵抗は7日までの25日移動平均線(10日現在15903.95円)から、8日以降は5日移動平均線(同15610.04円)に切り下がった感がある。来週も日米共にボラが高い状況が続く見通しのため、日経平均の日中値幅は拡大や、週間の取引レンジの拡大が予想される。
10日時点での東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は77.84%、同(10日移動平均)は49.56%、同(6日移動平均)は56.22%と、短期的な売られ過ぎを示唆している。なお、8月8日の14753.84円から9月25日の16374.14円までの上げ幅は1620.30円。この61.8%押しが15372.79円。これを割り込んだため、最終的には全値押しの14753.84円までの下落は視野に入っている。ただ、その前に200日移動平均線(10日現在15123.60円)や26週移動平均線(同15171.10円)、52週移動平均線(同15088.85円)、週足ベースの一目均衡表の基準線(同15129.68円)、月足ベースの一目均衡表の転換線(同15129.62円)あたりがサポートとして意識されよう。それらをあっさりブレイクするようなら、週足ベースの一目均衡表の雲上限(同14850.76円)や、先述の14753.84円あたりが目先の底値になる見通しだ。一応、来週の想定レンジは15000円~15600円。
市場が最も嫌気しているのは、円安に対する政府と日銀の認識の溝だろう。日本銀行の黒田東彦総裁は7日午前、参院予算委員会で為替相場について「今まで起こった円安について問題が生じている、日本経済全体にとってマイナスになっているということはない」と述べ、従来の見解を繰り返した。一方、安倍首相は7日午後の参院予算委員会で、円安のデメリットについて、ガソリン・燃料費の上昇で家計や中小規模の企業に負担になるとの見解を示した。来年4月の統一地方選を意識しての発言だろうが、このブレた安倍首相と、ブレない黒田総裁との、円安への認識のズレによる、ネガティブインパクトは非常に大きかった。
ところで、足元の相場急落で、個人信用に追証が相当件数発生したもようだ。これは大底圏特有の事象だ。来週はいったん底打ち後、リバウンドに入る可能性は高いとみてはいる。それには、少なくとも、米国株が落ち着き、円高が一服することが必要だろう。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)