
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月19日 15時34分
来週の相場見通し/日経平均は高値圏で、堅調に推移
今週は、スコットランドで実施された英国からの独立の是非を問う住民投票については「独立否決が確実」と19日のザラ場中に伝わった。また、FRBは17日まで開いたFOMCで、量的緩和第3弾(QE3)の追加証券購入を10月28~29日に開く次回の会合で終える方針を確認し、出口戦略に関する大枠を提示した。この2つの巨大イベントを無事に通過したことで、今後の相場の大きな不透明要因がなくなった。このため、今後の相場のボラティリティーはやや低下する見通しだ。
来週の日経平均は、米株が急落したり、円高が加速したりしない限り、高値圏で、堅調に推移する見通し。ただし、短期的な過熱感があるため、スピード調整入りしても、何ら不思議はない。その場合、押し目メドは5日移動平均線(19日現在16027.44円)、これを割り込むと25日移動平均線(同15669.28円)付近までの調整は十分ありだ。一方、上値だが、心理的節目の16500円を挙げておく。想定レンジは15800円~16500円程度。
なお、足元の日本株の上昇は、FOMCで2017年の政策金利の予想水準が市場の想定よりも上振れ、且つ、金融政策の正常化についての基本方針を示したことで、米長期金利の上昇圧力が強まったことが主因だ。これはドル高要因であり、日本株、とりわけ輸出関連企業の業績及び株価にはポジティブだからだ。ちなみに、みずほ銀行の試算では、円安が10円進むと上場企業の営業利益を1.9兆円押し上げるという。輸出価格に加え海外子会社の収益も円建てで膨らむためだ。円安は訪日客の増加で観光産業などにも追い風だ。これが日経平均を力強く押し上げた。
また、12日時点の裁定取引に伴う現物株の買い残高(期近・期先合計)は5週連続で増えた。金額ベースで、前週比2580億円増の3兆4409億円だった。この裁定買いが入り続ける限り、日経平均は堅調さを維持する見通しだ。逆に、この解消が加速するようなら、いったん値幅を伴った調整に入る可能性が高いとみておく必要がある。ただし、解消売りが加速するには、やはり、米株の急落や、円高・ドル安の加速などで、相場の先安観が強まる必要がある。
ところで、市場が注目している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に関しては、塩崎恭久厚生労働相がGPIFのガバナンス改革に関連して、今秋の法改正にこだわらない考えを示したことを受けて、国内株保有比率の引き上げといった新資産構成の発表が大幅に遅れる懸念が払拭されたと伝わっている。これは当面の日本株の下支え要因として意識され、作用する公算が大きい。
基本的な相場観では、来週は「高値もみあい」だ。このため、主力株だけが買われる相場から、徐々に個別株物色の傾向が強まるとみている。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)