
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
04月11日 15時38分
来週の相場見通し/日経平均は引き続き調整が続く
来週の日経平均は引き続き調整が続く見通し。日経平均の想定レンジは13500円~14500円程度。ボラティリティが上昇しレンジはワイド化する公算が大きい。
日本株調整の理由は、大きく分けて3つ。最も大きい理由は、消費増税の景気への影響懸念が強まる中での日銀による早期の追加の金融緩和への期待の消滅だ。日銀の黒田東彦総裁が金融政策決定会合後の記者会見で「追加的な緩和については現時点では考えていない」と述べたことで、市場の淡い期待が打ち砕かれた。一方、3月の景気ウオッチャー調査では、先行き判断指数は34.7と前月から5.3ポイント低下し、4カ月連続で前月を下回った。また、2月の機械受注(船舶・電力を除く民需、季節調整値)は前月比8.8%減だった。これを受け、内閣府は基調判断を1月の「増加傾向にある」から「増加傾向に足踏みがみられる」に下方修正した。
次に、大きいのが米国株式市場において、モメンタム株が下げが止まらないことだ。モメンタム株とは、業種を問わず、勢いがあり値動きが激しい銘柄の総称で、「テスラ・モーターズ」、「フェイスブック」、動画配信・DVDレンタルの「ネットフリックス」、バイオ医療関連銘柄などが代表格だ。取引時間中に「モメンタム株」が売られ出すと、市場の雰囲気が悪くなり、投資家のリスク許容度が低下し、NYダウを構成する大型株にまで売りが波及するケースも珍しくないという。
そして、3つ目が中国景気への警戒感の強まりと、ウクライナ情勢の緊張継続だ。16日に発表予定の中国の1~3月の実質成長率は2四半期連続で減速し、今年の政府目標の7.5%を下回ることが大方の予想だ。それなのに、中国の李克強首相は10日、短期的な景気刺激策をとらない方針を改めて表明した。
一方、ウクライナ情勢については、米ロ、ウクライナ、欧州連合(EU)は17日に4者の外相協議を開催することで最終調整に入ったと伝わり、軍事的な衝突は避けられる見通しだ。しかし、ウクライナ東部での分離独立を巡る動きがある上、ロシアがウクライナへの天然ガスの輸出に前払い方式の導入を検討しているため、目先はウクライナ問題が相場の重しとして意識され続けよう。
テクニカル的には、日経平均は2月5日の安値13995.86円を4月11日に割り込んだため、下値のメドが立ちにくくなった。一応のメドとしては13年10月8日の13748.94円、13年8月28日の13188.14円あたりが意識されそうだ。だが、下方向に力強いトレンドが発生している以上、オーバーシュートは付き物であり、水準論はあまり意味がない。
ただしその一方で、4日以降の相場の下落は急ピッチであり、きっかけさえあれば、急激に値を戻す可能性も低くはない。しかしそれでも、ここまで下落してしまったことで、日本株の調整は長引くことは覚悟しておく必要がある。とにかく、円高が是正されない限り、日本株の反発は期待できないとみておく必要もある。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)