
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月14日 15時42分
来週の相場見通し/国際情勢が大きく変化しないのなら、下値模索
来週の日経平均は国際情勢が大きく変化しないのなら、今週に引き続き、新興国発の悪材料に振り回される見通し。とりわけ、今週後半から一気に緊張が高まったウクライナ情勢を巡る欧米とロシアとの政治的な駆け引き及び妥協、事態の沈静化の有無等が、来週の日本株に大きな影響を与える見通しだ。
まず、米国のケリー国務長官は13日、ウクライナ南部のクリミア自治共和国でロシア編入の是非を問う住民投票が予定通りに16日に実施されれば、米国と欧州連合(EU)は17日に「一連の重大な措置」を発動させると述べた。また、ドイツのメルケル首相は13日、ウクライナ問題でロシアが軌道修正しなければ、「甚大な」政治的・経済的損害を被る恐れがあると警告した。一方、ロシア国防省は13日、ウクライナと接する南部軍管区で約8500人の兵士が参加する軍事演習を始めたと発表した。
このため、今週末及び週明け17日にかけて、ウクライナ情勢は緊迫し続けることが予想され、且つ、事態は流動的だ。少なくとも、この不透明感が払拭されるまでは、円高・日本株安のバイアスは掛かり続けるだろう。
また、中国の景気鈍化懸念と信用収縮への不安も根強い。中国の1~2月の主要経済統計が13日、ほぼ出揃い、これらが総じて市場予想を下回る低調な結果となり、中国景気の減速懸念が一段と強まっている。また、中国の李克強首相は13日、金融市場のデフォルト問題について「個別の状況では避けがたいものがある」と指摘した。同時に金融機関の連鎖破綻などの金融システムリスクを回避するため監督を強化する考えを強調した。しかしながら、具体的な監督強化策は現時点では不明であり、市場ではデフォルトが相次ぐとの懸念が強まっている。
このような状況では、今週同様に、投資家は事態急変(特に、ウクライナ情勢を巡る欧米とロシアの対立)に備えて高リスク資産の株式や高金利通貨を手放し、安全資産の米国債や円に資金を移す動きを継続しよう。逆に、ウクライナ情勢を巡る欧米とロシアの対立が、今週末、または、週明け早々に解消に向かう兆しが出てくきたり、緊張が緩和するような動きが出れば、日経平均は3日の14443.10円から7日に15312.60円まで急反発したような動きをトレースしよう。
とにかく、安全資産とされる、米国債券、日本円、そして「金」が買われるような状況では、日本株は下がることはありこそすれ、上がることはない。来週は、クリミアを巡り武力衝突が避けられるとの前提で、且つ、緊張状態が続く場合の日経平均の想定レンジは14000円~14600円程度。一方、休み中に緊張が緩和する場合のレンジは14600円~15000円程度だ。なお、万が一、不測の事態に陥った場合のレンジは想定不能だ。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)