
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
11月08日 15時28分
来週の相場見通し/日経平均は円相場次第の状況が続く
来週の日経平均は円相場次第の状況が続くだろう。1ドル=99円台の円安回帰なら調整はほぼ完全に終了し、98円台後半なら反発機運が強まるだろう。しかし、98円台前半なら軟調な膠着相場が継続し、97円台突入なら、日経平均は14000円を割り込み、下値を模索する公算だ。
テクニカル的には、日経平均は25日移動平均線(8日現在14306.51円)を下回っていると、下振れし易い。8日終値は14086.80円であり、その状態であり、急落リスクに対して注意するべき局面だ。なお、急落した場合は、9月2日と3日とで空けた窓(13613.48円~13748.68円)埋めがまずは意識されよう。ただし、多くの投資家がそこで止まるとみているため、窓を完全に埋めても止まらないようなら、その付近で買った投資家の投げも加わり、そこから13500円付近まで一気に付けにいく可能性は低くはない。
13500円付近の安値を付けにいく最大の需給要因は、信用買い方の期限到来に伴う手仕舞い売りと、追証発生又は回避に伴うポジション調整の売りだ。日経平均が15942.60円の年初来高値を付けた5月23日の信用期日は11月22日だ。8日の日経平均(14086.80円)はこれを1855.58円(11.64%)と大幅に下回っており、返済期限を迎えた信用買い方の手の内は非常に悪い。実際足元の信用評価損益率は11月1日時点でマイナス8.98%と、前週のマイナス5.93%よりマイナス幅が拡大している。悪化は3週連続で、9月6日時点のマイナス10.94%以来、2カ月ぶりの低水準だ。
さらにここにきて、5日からの空売り規制の緩和で、直前の株価より安い価格でも空売りできるようになり、これまで規制されていた大口の個人の信用売りも緩和され、5日から51単元以上の信用売りができるようになったため、5日の東証全体の売買代金に対する空売りが占める比率は29.2%と今年最も高い水準に上昇した。この規制緩和は、相場のトレンドが下向きの場合、下げの加速装置となる見通しだ。ちなみに、新ルールでは株価が前営業日の終値より10%以上下げた場合、その時点から翌日の取引が終わるまで、直前の株価より安い価格での空売りができなくなる。
その一方、日経平均が14000円を割り込むようなら、逆張りの個人投資家の買いなどは期待できるとみている。彼らの買う手法は、主に投げ売りが出たらそれを下値で拾うため、トレンドを変える力はないが、下落ピッチを緩和させる効果は発揮されるだろう。
また、1日までに4~9月期決算発表を終えた金融などを除く589社(社数で全体の4割、時価総額で6割)の2013年4~9月期決算は増収率が11%、増収増益企業の割合が6割に上り、ともに3年ぶりの高水準だったと、日経新聞が報じている。この好調な企業決算も、バリュエーション面で相場を下支えする見通しだ。ただし、この好業績に関しては、それまでの投資家の期待が高すぎたため、相場を押し上げる要因とはならず、むしろ、失望されている。それでも相場水準が下がればサポート要因にはなるだろう。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)