
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
10月18日 15時21分
来週の相場見通し/日経平均は高値もみあいを想定
来週の日経平均は高値もみあいを想定する。日経平均の想定レンジは10月のSQ値14349.65円~7月19日の14953.29円。上院に続き、下院は16日夜(日本時間17日午前)の本会議で、連邦政府債務の上限引き上げ問題をめぐる暫定案を賛成多数で可決した。そして、オバマ大統領が、来年2月7日まで連邦政府の国債発行などを認める財政関連法案に署名、同法が成立した。確かにこれで、投資家がリスクオンになり易くなった。しかし、日経平均は17日まで7日続伸していたこともあり、当面の好材料は出尽くしとみるのが妥当だろう。
ところで、米労働省は17日、9月の雇用統計は当初見込みの4日から2週間あまり遅れ、22日に発表する。そして、10月分の雇用統計は1週間遅れ、11月8日発表となる。まずは、22日の9月の雇用統計が米株及びドル、そして日本株の方向性を決めそうだ。
消費者心理は5年前の金融危機時の水準にまで悪化したとされている。このため、市場ではQE3の年内縮小は困難との見方が強まっており、29~30日に開く次回FOMCにおけるQE縮小の可能性はほぼ皆無の状況だ。さらに、来年1月には再び、政府閉鎖を巡る攻防、2月には債務上限の引き上げ期限が到来する。こうなると、イエレン次期FRB議長のデビュー戦となる3月のFOMCまで緩和縮小は先送りされる可能性も意識せざるを得ない。
このように、米国の金融政策が現状で長期間維持され、且つ、財政問題の火種が燻るため、ドルの上値は限定的だ。こうなると、日経平均の上値も重くなることは必然だろう。
その一方で、堅調な企業業績を背景に、日本株の下値は下値で堅そうだ。4~6月期では上場企業約1500社(新興、電力、金融除く)の経常利益は40%増え、過去最高益だった2007年4~6月期の9割の水準まで回復した。野村證券などの予想では7~9月期の増益率は50~60%で、4~6月期を上回る見込みだという。9月中間決算で07年9月中間期を上回り過去最高益を更新する企業が相次ぐ可能性もあると指摘されている。
なお、米国の財政問題への与野党協議の混迷もあり、多くの投資家が様子見スタンスを崩さなかったため、東証1部の売買代金が減少傾向にある。そして、この問題が一応解決しても、QE縮小先送りが予想され、円安が一服しているため、主力の輸出関連の値動きが鈍く、18日の東京株式市場の商いは低調だ。つまり、市場エネルギーは低調だ。これでは、売り物をこなして、日経平均が上値を追うことには難しい。よって、商いが膨らむまでは、日経平均が7月19日高値14953.29円をブレイクするのは厳しいとみている。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)