
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
04月05日 16時01分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=95.00-99.00円を想定
今週の円相場は一転下落した。1日発表の3月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や3月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数が予想を下回り、投資家が「リスク・オフ」の動きを強め円買いが加速した。イースターマンデーでオセアニア市場や欧州市場が休場となり、流動性が激減したため値が振れやすい面もあった。
2日の日経平均株価が急落したことも円買いを誘い、92.57円まで値を伸ばした。2日の欧米株式相場や3日の日経平均株価が上げ幅を拡大すると93.69円まで調整売りが進んだが、3月ADP全米雇用報告や3月米ISM非製造業指数がいずれも予想より弱かったため、リスク回避的な円買いが再開。一時92.715円まで持ち直した。
日銀は3-4日に開いた金融政策決定会合で、金融市場調節の操作目標を無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更することなどを含む「量的・質的金融緩和」の導入を決定した。市場の予想を上回る大胆な金融緩和が打ち出されたことで円売りが優勢に。
黒田東彦日銀総裁が定例記者会見で「必要ならちゅうちょなく調整していく」「今回の金融緩和は量・質ともにこれまでと全く次元が違う」などと述べると、円の先安観が一段と強まった。2009年8月10日以来の安値となる97.20円まで急速に下げ幅を拡大した。
来週、米国では9日に2月卸売在庫、3年債入札、10日にMBA住宅ローン申請指数、10年債入札、3月月次財政収支、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月19-20日分)、11日に3月輸入物価指数、新規失業保険申請件数、30年債入札、12日に3月卸売物価指数(PPI)、3月小売売上高、4月消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)、2月企業在庫が明らかになる。
また、8日にピアナルト・クリーブランド連銀総裁、9日にバーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長、ラッカー・リッチモンド連銀総裁、ロックハート・アトランタ連銀総裁、10日にコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、フィッシャー・ダラス連銀総裁、11日にプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁、12日にローゼングレン・ボストン連銀総裁、バーナンキFRB議長が講演を行う。
来週の円相場は軟調に推移しそうだ。レンジは1ドル=95.00-99.00円を想定している。日銀の大胆な金融緩和を受けて円の先安観が強まっている。また、今週に入り複数の米地区連銀総裁が年内の資産購入縮小の可能性に言及しており、10日のFOMC議事要旨で同様の指摘があれば円売り・ドル買いで反応しやすいだろう。
2009年8月7日の安値97.79円が下値の目処となるが、ここを下抜ければ2009年6月5日の安値98.90円や2009年5月7日の安値99.80円が視野に入る。
ただ、50銭刻みで設定されているバリアオプションの防戦買いが意識され、一方的に円安が進む展開にはならないだろう。急速に円の売り持ち高が積み上がっただけに、反動のエネルギーがたまっている点にも留意はすべきだ。
また、今晩の3月米雇用統計の結果にも注目が集まる。足もとで予想より弱い米経済指標が相次いでおり、米雇用統計のさえない結果を警戒する向きもある。ただ、弱い結果となったとしても、日銀の大胆な金融緩和を背景に円の上値では戻り売り意欲が旺盛とみており、荒い値動きには注意が必要だ。
(グローバルインフォ株式会社)