
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月29日 15時25分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=93.00-96.00円を想定
今週の円相場は一進一退となった。キプロスとトロイカは25日、金融支援で原則合意に達した。キプロスを巡る先行き不透明感が後退し、一時94.97円まで円売りが先行した。
ただ、キプロス議会の金融委員会委員長が「ユーロ離脱の利益を評価しなければならない」との見解を示すと、対ユーロ中心に円買いが優位に。ダイセイプルーム・ユーログループ議長が「キプロスの銀行リストラ計画は、その他のユーロ圏の前例と見なされるべきだ」と発言し、高額預金者に負担を求める金融支援の枠組みがキプロス以外の財政懸念国に適用されるとの思惑が広がったこともリスク回避的な円買いを後押しした。一時93.53円まで急速に持ち直した。
もっとも、黒田東彦日銀総裁が26日、「日銀券のルールについては撤廃を含めて検討対象になる」と語ったほか、日経新聞が「日銀はデフレ脱却に向けて国債買い入れを拡大するため新たな購入目標を設ける」と報じ、日銀の強力な金融緩和への期待が高まると94.91円まで上値が切り下がった。
27日にはイタリアの格下げ懸念や連立政権樹立への不透明感が改めて台頭。28日の3月独雇用統計が予想より弱かったことも対ユーロ中心に円買いを誘い、93.88円まで値を戻した。
来週、米国では1日に2月建設支出、3月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数、2日に2月製造業新規受注、3日に3月ADP全米雇用報告、3月ISM非製造業指数、4日に3月企業の人員削減数、新規失業保険申請件数、5日に3月雇用統計、2月貿易収支、2月消費者信用残高が明らかになる。また、2日にコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、ロックハート・アトランタ連銀総裁、3日にエバンズ・シカゴ連銀総裁、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、4日にジョージ・カンザスシティー連銀総裁、イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演を行う。
一方、米国以外では1日がイースターマンデーで豪州、NZ、香港、独、英国などが休場となる。2日に豪準備銀行(RBA)、4日に日銀金融政策決定会合、英中銀金融政策委員会(MPC)、ECB定例理事会が政策金利を発表する。
来週の円相場は荒い展開となりそうだ。レンジは1ドル=93.00-96.00円を想定している。日銀の新体制発足後、4月3-4日に初めて開催される金融政策決定会合では、無期限緩和の前倒しや日銀券ルールの撤廃、資産買入等の基金と従来型の国債買い入れ(輪番オペ)の一本化などが検討されると報じられている。次元の違う金融緩和への期待が高まっているだけに、失望的な内容となれば円買い戻しが加速するだろう。
また、週末の3月米雇用統計を占ううえで、3月ADP全米雇用報告など重要指標が相次ぎ、予想からどの程度ぶれるか注目される。キプロスの金融不安やイタリアの政局混迷への警戒感も根強いうえ、豪英欧の金融イベントが予定されており、各通貨とも不安定な値動きとなりそうだ。足もとでは一目均衡表転換線の94.83円と一目均衡表基準線の93.78円のレンジ相場と考えているが、レンジをブレイクして大きく動く可能性が高いと見ている。
(グローバルインフォ株式会社)