
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月22日 15時16分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=93.50-96.20円を想定
今週の円相場は底堅く推移した。ユーロ圏財務相会合は15日、キプロス金融支援の条件として同国の銀行預金に課税することを決定。欧州金融不安への警戒感が改めて高まり、18日の早朝からリスク回避的な円買いが優勢となった。一時93.45円まで急速に上げ幅を広げた。
ただ、市場では「キプロスの経済規模を考えれば、欧州全般の危機にはつながりにくい」との声が聞かれたほか、「キプロスは新しい預金課税の提案を準備」「ユーロ圏財務相は10万ユーロまでの預金額には課税しないことを支持」と伝わり、過度な金融不安が後退したため持ち高調整の円売りが進んだ。
キプロス議会は19日、銀行預金課税法案を否決したものの、サリス・キプロス財務相がロシアを訪問し金融支援を要請するなど、やや楽観的な見方も広がった。
日経新聞が「黒田新総裁『量も質も大胆緩和』 就任会見に臨む」と報じたことが円売り材料とみなされると、96.135円まで値を下げた。
欧州中央銀行(ECB)は21日、キプロスに対する緊急流動性支援(ELA)の現行の水準を25日まで維持することを決定。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の支援で合意できなければ、26日以降に同国の金融システムが崩壊する可能性が浮上し、リスク回避的な円買いが再開した。黒田日銀総裁の就任会見が新味の内容に乏しかったことも円買いを促し、94.54円まで値を戻した。
来週、米国では26日に2月耐久財受注額、1月ケース・シラー住宅価格指数、3月消費者信頼感指数、2月新築住宅販売件数、27日にMBA住宅ローン申請指数、2月住宅販売保留指数、28日に10-12月期国内総生産(GDP)確定値、新規失業保険申請件数、3月シカゴ購買部協会景気指数、29日に2月個人消費支出(PCE)、3月消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)が発表される。また、26日に2年債、27日に5年債、28日に7年債の入札が行われる。
一方、英欧では27日に4月独消費者信頼感指数(Gfk調査)、10-12月期英経常収支、10-12月期英GDP確定値、28日に3月独雇用統計などが明らかになる。なお、29日は聖金曜日の祝日(グッドフライデー)でオーストラリア、NZ、香港、シンガポール、インド、ドイツ、スイス、南アフリカ、英国、カナダなど休場となる。米国市場は株式・債券市場が休場で、為替市場は通常取引となる。
来週の円相場は方向感の定まらない展開となりそうだ。レンジは1ドル=93.50-96.20円を想定している。キプロス問題の先行き不透明感は根強く、対ユーロ中心にリスク回避的な円買い圧力が高まりやすい。
年度末が近づき、日本の輸出企業などが対外資産引き揚げ(リパトリエーション)に絡んだ円買いを持ち込む可能性もある。
半面、日銀の新体制発足後、初の金融政策決定会合を4月3-4日に控えるなか、臨時会合が開かれ金融緩和が前倒しされるとの思惑が改めて高まれば円売りが活発化するだろう。欧米の重要指標を受けた株価動向次第となりそうだが、18日の高値93.45円と15日の安値96.28円のレンジ相場を想定している。
(グローバルインフォ株式会社)