
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月22日 16時10分
来週の相場見通し/円相場の動向に一喜一憂する展開
足元でキプロス支援を巡る不透明感から外国為替市場で円高が進んでいるため、来週の日経平均は円相場の動向に一喜一憂する展開を余儀なくされそうだ。国内機関投資家の多くは、既に今年度の運用を終えた投資家も多いため、よほど外部環境が悪化しない限り、株式相場の急落はないとみている。一方、上値に関しては、これまた想定以上の円安にならない限り、年度末を控え、積極的な買い上がりは期待し難く、日経平均の上値は重そうだ。
ただし、キプロス問題の着地は現時点では全く見通せる状況ではなく、予断は許せない。なぜなら、欧州中央銀行(ECB)は交渉が前進しなければ、キプロスの銀行への緊急資金供給を25日で打ち切るという強硬方針を示している。最悪シナリオは、キプロスのユーロ離脱だ。この場合は、次のキプロス探しが市場で始まり、ユーロ危機はもうワンステージ上がることになり、混乱は深刻化、長期化するだろう。しかし、現時点では、キプロス政府と欧州連合(EU)とが、ギリギリのところで妥協・譲歩をし、結果、折り合い、そして、適切、且つ、妥当な解決策を見出す可能性が高いとみている。
また、万が一、最悪シナリオになった場合でも、4月3、4日の金融政策決定会合に向け改めて金融緩和や円安の観測が高まる可能性があるため、一方的な円高リスクは低い。よって、円高を主因にした投資家の日本株の売り急ぎの可能性は低いと考える。なぜなら、円高が進むようなら、日銀が4月3、4日を待たず、臨時会合を開いて追加緩和を決める可能性も低くはないからだ。
リーマン・ショック以降、つい最近まで、米国金融市場では、「バーナンキ・プット」ということがたびたび使われていた。これは、株価が下落すればバーナンキFRB議長が追加緩和策という助け舟で、「プット・オプション」の役割を買って出るということを表現した言葉だ。今後、日本では、「黒田・プット」という言葉が、二番煎じながら、たびたび出てくる可能性があるだろう。
なお、日銀の新体制下での大胆な金融緩和政策として、市場が最も注目しているのは、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)などリスク資産の購入拡大だ。とりわけ、ETFに関しては、現状の前引けが前日の大引けより1%以上下がれば買いに動くという現行ルールが、相場が上がろうが下がろうが毎月、定量購入することへの変更が一部で期待されている。
ところで、3月第2週(3月11~15日)の投資部門別株式売買動向では、外国人は4574億円を買い越した。買越額は前週の1兆172億円から減少したが、18週連続での買い越しと、2010年11月~11年5月の29週連続以来の長さだった。18週累計の買越額は5兆6692億円に達した。この旺盛な外国人買いが売り越しに転じない限り、いわゆる「アベノミクス相場」継続する公算が大きい。
以上のことから、来週の日経平均の想定レンジは12000円~12700円程度だ。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)