
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
01月18日 17時31分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=86.75-90.75円を想定
今週の円相場は行って来いの展開となった。甘利明経済再生担当相が15日、「円安は輸入物価に跳ね返り、国民生活にマイナスの影響もある」と述べると、安倍政権による脱デフレ・円高是正政策を期待した足もとの円安進行を調整する動きが加速した。石破茂自民党幹事長が円安進行について「産業によっては困る企業も出てくる」と語ったことも円買いを後押しし、87.79円まで値を伸ばした。ただ、甘利経済再生担当相は17日、「円高の修正局面にあり、100円はターニングポイントではない」などと発言。
石破自民党幹事長も「過度な円高は是正されるべきだ」との見解を示し、「円安けん制発言が修正された」として一転円売りが優勢となった。日経新聞が「日銀は21-22日に開く金融政策決定会合で追加の金融緩和を実施する方針を固めた」「日銀の追加緩和は国債などを購入する資産買い入れ基金の枠を10兆円程度増額することが柱になる見通し」と報じたうえ、政府筋の話として「日銀は次回会合で物価目標2%を目指し無制限緩和を検討へ」「次回会合では当座預金の付利撤廃を議論へ」など伝わると、日銀の追加金融緩和期待が改めて高まった。円売りに拍車が掛かり、まとまったバリアオプションが設定されていた90.00円を下抜けて90.21円まで急落した。
来週、米国では21日がキング牧師誕生日で休場となる。22日に1月リッチモンド連銀製造業景気指数、1月中古住宅販売件数、23日にMBA住宅ローン申請指数、11月住宅価格指数、24日に新規失業保険申請件数、12月景気先行指標総合指数、25日に12月新築住宅販売件数が発表される。
一方、日本では22日に日銀政策金利、11月全産業活動指数、11月景気動向指数改定値、23日に日銀金融経済月報、1月月例経済報告、24日に12月貿易統計(通関ベース)、対外対内証券売買契約等の状況、25日に12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)、1月東京都区部CPI(生鮮食品を除く総合)、12月19-20日分の日銀金融政策決定会合議事要旨が明らかとなる。
来週の円相場は荒い値動きとなりそうだ。レンジは1ドル=86.75-90.75円を想定している。日銀は21-22日開催の金融政策決定会合でデフレ脱却に向けた政府・日銀の共同文書を正式決定し、2%の物価目標や金融緩和の強化を明記する見通しとなっている。
金融緩和について市場では「資産買入等基金の10兆円増額」や「無制限緩和」、「当座預金の付利撤廃」などが予想されている。共同文書や追加緩和の内容次第だが、日銀の金融緩和期待を背景にこれまで円売りを進めてきただけに、材料出尽しとして利益確定の円買いが強まる可能性には注意が必要だ。石破自民党幹事長が望ましい為替水準とした「85-90円の範囲」を一時超えており、急速な円安進行をけん制する発言が再び出る可能性も否定できない。ただ、「円安トレンドに変化はない」との声も依然として多く聞かれている。「86.75-90.75円にダブルノータッチオプション、91.00円にバリアオプションが観測されている」との声があるが、91.00円を下抜ければさらに下値余地が広がるだろう。
(グローバルインフォ株式会社)