
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
10月12日 16時32分
来週の相場見通し/外部環境が改善すれば、多少のリバウンドは期待できる
来週の日経平均は引き続き調整が予想されるが、短期的な売られ過ぎ感も強いため、外部環境が改善すれば、多少のリバウンドは期待できるだろう。日経平均の想定レンジは8300円~8800円程度。下値メドは7月25日の8328.02円。これを割り込むようだと6月4日の8238.96円まで覚悟したい。一方、上値だが、25日移動平均線(12日現在、8889.92円)が強烈に抵抗する見通し。
日本株がここまで弱い理由は、主力企業の業績下方リスクが日を追うごとに高まっているからだ。世界的な景気減速懸念の強まり、円高の恒常化に加え、中国での反日機運の高まりを背景にした、日本製品離れが自動車を中心に深刻な影響が出始めている。この反日機運の沈静化には、政治的な決着が必要だ。しかし、現時点ではその見通しは立っていない。
中国では、11月8日開幕の共産党大会で指導部の交代を控えており、新指導部発足までは、少なくとも対日強硬姿勢は続く公算が大きい。一方、日本も、野田首相の「近いうち解散」が一体何時なのか不透明だ。政治決着には、日中のトップが交代してからの可能性が高いため、反日機運の長期化は不可避とみておく必要がある。
ところで、来週は18~19日に欧州連合(EU)首脳会議がブリュッセルで開かれる。ここで、銀行監督の一元化に関する議論が進展したり、スペインやギリシャなど重債務国への対応に進捗がみられるようなら、ユーロ高、世界的な株高要因になるだろう。
だが、今週もそうだが、来週も、主力企業の4~9月期決算発表に伴う業績下方修正を見極めたいとの気分が強い状態は継続する公算が大きい。このため、リバウンドがあったとしても、戻り余地は限定的とみておく必要がある。足元で、投資家は日本株での運用に慎重な姿勢を強めており、この傾向に当分変化が出るとは思えないからだ。
一方、中国では経済指標の発表が相次ぐ。13日に9月の貿易統計、15日に9月の消費者物価指数(CPI)と工業生産者出荷価格指数(PPI)、18日に7~9月期のGDPなどの発表がある。7~9月期のGDPは前年同期比7.4%増と、伸び率は4~6月期の7.6%から鈍化し、政府目標の7.5%を下回る可能性が指摘されている。
これら指標発表を受けて、世界的な景気減速への懸念が一段と強まるようなら、東京市場では中国関連銘柄の下落が一段と加速し、投資マインドを冷やすと同時に、日経平均の足を強烈に引っ張る可能性がある。ただし、悪い指標発表を受け、逆に政策期待が強まり、上海・香港株が好感して上昇するようなら、そのような動きは回避される見通しだ。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)