
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
08月03日 15時28分
来週の相場見通し/日経平均は調整色の強い展開、レンジは8300円~8700円程度
来週の日経平均は調整色の強い展開を予想する。日経平均の想定レンジは8300円~8700円程度。7月26日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、「ECBにはユーロ圏を守るために責務の範囲内で何でもする用意がある。」と述べた。これを市場は好意的に受け止め、期待した。しかし、2日のドラギ総裁の記者会見で、「期待」は「失望」に変わった。これが調整の主因だ。
ECBは2日に理事会を開き、政策金利を年0.75%で据え置いた。ドラギ総裁は2日の記者会見で、スペイン支援などを目的とした国債購入に関して、具体的な規模や時期を明言しなかった。また、ECBより先にユーロ圏諸国が欧州金融安定基金(EFSF)など金融安全網を通じて国債を購入すべきと指摘した。さらに、購入対象国の支援要請といった条件も加えた。
ECBが南欧国債の購入再開の前提条件を付けたことで、今後はこれが実現するかが焦点となる。だが、南欧国債の購入には北部欧州の不満が強い。実際にドイツ、フィンランド、オランダ3カ国の中銀はECBが南欧の財政政策に協力しすぎていると警告している。
6月末のEU首脳会議で、ユーロ圏は銀行監督の一元化や、欧州安定メカニズム(ESM)が民間銀行に直接資本注入できるようにすることなど、財政統合を進めることで合意した。しかし、主権移譲の問題や加盟国の手続きの遅れから、既に予定よりも遅れている。ユーロ圏は夏季休暇明けの9月以降、抜本対策を迅速に詰めないと危機がさらに深まりかねない状況だ。
なお、現時点において、来週は欧州債務問題の克服に向けた協議などの予定はないようだ。
欧州がこんな状況では、ユーロ安、南欧国債価格安(利回り高騰・高止まり)は継続し、円高・日本株低迷も続く見通し。とりわけ、海外投資家はリスクオフスタンスを崩さないため、日本株は下がりこそすれ、上がることはないだろう。
ところで、日銀は8-9日に金融政策決定会合を開く。しかし、FRB、ECBともに金融政策の現状維持を決めた直後であり、日銀が自ら積極的に追加金融緩和に動く可能性は極めて低い。
そうこう考えると、来週以降の世界の金融市場は、政策を催促する相場の傾向を強める公算が大きい。テクニカル的に日経平均は13週移動平均線(3日現在、8688.88円)が強力に抵抗を続ける公算が大きい。これを抜けても、25日移動平均線(同、8753.24円)はさらに強力に抵抗する見通しだ。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)