
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
04月06日 16時05分
来週の相場見通し/今週に引続き、調整色の強い展開を見込む
来週の日経平均は今週に引続き、調整色の強い展開を見込む。想定レンジは9400円~9900円程度。当面は25日移動平均線(6日現在、9957.52円)や、下降を継続している5日移動平均線(同、9887.26円)が抵抗する見通し。一方、下値メドは、まずは13週移動平均線(同、9426.02円)が挙げられる。
また、昨年12月19日の8272.26円から今年3月27日の10255.15円までの上げ幅1982.89円の38.2%押しが9497.69円で、これも下値メドとして意識されよう。よって、今回の調整のミニマムの値幅調整としては9500円割れが一応の目安になるとみている。
日本時間今晩発表予定の3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比で20万3000人程度増える見通し。市場の予想通りなら失業率の持続的低下に必要とされる20万人増の大台を4カ月連続で超えることになる。また、失業率は前月から横ばいの8.3%が見込まれている。
もちろん、これが大幅に下振れると、来週以降、米株安、ドル安、米国債高になり、日本株にはネガティブに作用する見通しだ。しかし、市場の最大の関心事が、米国経済ではなく、欧州債務問題深刻化だ。このため、米雇用統計自体は、相場材料としては、上振れしようが、下振れしようが、実は金融市場へのインパクトはそれほど大きくないとみている。
むしろ、日本株にとっては、9~10日の日銀の金融政策決定会合の方が重要だ。日銀は2月14日の会合で、消費者物価指数の上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明した。
しかし、3日発表の3月のマネタリーベースは、3年7カ月ぶりに前年比マイナスに転じ、前年同月比0.2%減と、前月の同11.3%増から大きく減速した。市場は、「日銀は、本当に金融を積極的、且つ、全力で緩和して、消費者物価指数を引き上げる気があるのか?」、「まさか、言うだけ番長で、有言不実行ではないだろうな?」と、緩和姿勢の本気度を疑い始めている。今回の会合と会合後の記者会見で、この懸念を払拭させるようなら、日本株の調整は一巡する見通しだ。しかし、懸念が一段と強まるようなら、日本株の、もう一段の調整を覚悟する必要があるだろう。
なお、日銀は次の追加の金融緩和のカードを温存する公算が大きいとみられている。なぜなら、2月14日の「物価めど」を導入後では初の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめる会合を、27日に控えている上、24~25日にはFOMCが予定されているからだ。このため、9日~10日の今回はひとまず様子をみる可能性が高いとみられているのだ。
よって、現時点においては、日銀は市場に対してゼロ回答する見通しであり、今回会合後、市場に日銀への失望感と疑念が溢れ、追加の金融緩和を催促する相場突入をメインシナリオにしておく。
ただし、9日から10日にかけて、世界の金融市場が荒れるようなら、その限りではなく、日銀は今回の会合で市場を喜ばす追加策を渋々発表し、それをもって、日本株の調整は一巡することになると考える。これがサブシナリオだ。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)