
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
11月11日 16時33分
来週の相場見通し/基本的には、軟調な調整相場をイメージ
来週の日経平均の想定レンジは8200円~8700円程度だ。基本的には、軟調な調整相場をイメージしている。無論、欧州債務問題、特に、イタリアへの過度の不安が後退すればその限りではない。しかし、欧州債務不安が燻り続ける限り、多くの投資家はリスクオフを継続しよう。このため、欧州債務問題に関するニュースに欧米市場が一喜一憂し、その欧米市場の動向に日本株は右往左往することだろう。また、欧州債務問題が燻る限り、為替市場では円高が継続する見通しだ。これもわが国輸出企業の業績及び株価の足を引っ張り続け、日経平均の上値抑制要因として機能し続けるとみておきたい。
テクニカル的には、まずは5日移動平均線(11日現在、8638.66円)が抵抗しよう。これを上回っても、25日移動平均線(同、8750.29円)は余程の好材料が飛び出さない限り、ブレイクはできないとみている。一方、一応の下値メドは10月5日の8343.01円だ。しかし、一目均衡表の雲下限(同、8635.04円)を既に下回っているため、下振れし易いテクニカル環境ということを考慮すると、8343.01円はサポートとしての信頼度は低いとみている。つまり、これを割り込んでも驚きではない。
ところで、日銀は15―16日に金融政策決定会合を開く。10月27日には追加の金融緩和(「資産買い入れ基金」の5兆円増額)に踏み切ったばかりでもあり、今回の会合では金融政策と景気判断を据え置くとみられている。このため、政策決定会合が相場反転のきっかけになることはないだろう。ただし、16日までの国際金融市場が激しく動揺していればその限りではない。そのケースでは、追加策の内容次第では、株式市場は多少は好感するだろう。だが、「ツーリトル・ツーレイト」がトレードマークの日銀が、株式市場を喜び、驚かすような対策を打ち出すことは期待薄だ。
また、欧州債務問題が存在する限り、日銀だけの政策で投資環境が劇的に改善することは難しい。実際、10日閉幕したAPEC財務相会合後の記者会見でガイトナー米財務長官は、「欧州が強力な計画の導入に迅速に動くことが不可欠だ」と訴えたという。また、APEC財務相会合の9日の夕食会や、会議の間の雑談は、欧州情勢についての話で持ちきりだったとも伝わっている。つまり、諸悪の根源である欧州債務問題が解決しない限り世界の金融市場が安定し、とりわけ、株式市場が安定的に上昇することはないだろう。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)