
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月16日 15時37分
来週の相場見通し/市場は若干落ち着きを取り戻しつつあるが、閑散相場継続
来週の日経平均は欧米株式市場が波乱の展開にならないなら、8500円-9100円程度のレンジ内で推移する見通し。足元では、政策当局による危機対応で、市場は若干落ち着きを取り戻しつつある。具体的には、ギリシャ、ドイツ、フランス3カ国の首脳は14日夜に電話会談し、独仏は会談終了後に共同声明を発表し、ギリシャの共通通貨圏からの離脱を回避する決意を示した。また、ECB、FRB、BOE、スイス国立銀行、日銀の日米欧の主要中央銀行5行が15日、金融市場にドル資金を供給する公開市場操作(オペレーション)を実施すると発表した。
なお、来週も市場を大きく上下させるイベントが目白押しだ。米国では、米連邦準備理事会(FRB)が20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和策を吟味する方針だ。FOMCでは、FRBの資産の中身を入れ替え、償還までの期間が長い米国債の比率を増やす「ツイスト・オペ」の開始が予想されている。
また、23、24日に米ワシントンで開く国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会にあわせて、22日に20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催される見通しだ。米欧の債務問題への対応や世界景気の下振れリスクについて、中国やインドなど新興国を含めた主要各国で認識を共有する狙いだ。このG20で先進国と新興国の足並み揃い、危機打開に向けた協調体制が構築できるかが注目される。
テクニカル的には25日移動平均線(16日現在、8805.20円)を終値で超えた。日経平均が同線を8月2日に割り込んで以降、同線は強力な抵抗として機能し続けていた。これを上抜けたことで、次は9月2日と5日とで空けた窓(8842.56円-8914.65円)埋めが意識されるだろう。そして、窓埋め後も騰勢が衰えず、上値を狙うようなら、9月1日高値9098.15円や8月16日高値の9150.31円が射程に入る。だが、9000円を超えて上がるには、相当な好材料の出現が必要だ。一方、余程の悪材料が飛び出さない限り、14日の8499.34円は強力なサポートになるだろう。
確かに、今回のドルの無制限供給で、欧州金融機関が資金調達難に陥る「第2のリーマン・ショック」はひとまず免れた。しかし、欧州債務問題の抜本的な解決は道半ばだ。欧州リスクは高い状態で、燻り続けている。よって、投資家のリスク回避志向に変化が生じるとは考え難い。欧州債務問題が根本的に解決されると市場が信用するまでは、世界の株式市場はいつ何時でも、「暴落」する可能性が高い状態が続く公算だ。これでは、安心して株式を保有できないため、買戻しや短期スタンスの投資家はともかく、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や日銀以外に、中長期スタンスの資金の流入は期待薄とみておく必要がある。このため、来週も商いが盛り上がることはないだろう。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)