
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月09日 16時13分
来週の為替見通し/1ドル=77.00-78.00円でのレンジ取引
今週の円相場は弱含んだ。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は6日、ユーロ・スイスフランの下限を1ユーロ=1.2000スイスフランに設定すると発表。同時に「無制限に外貨を購入する用意がある」「景気見通しやデフレリスクにより必要であれば一段の措置を講じる用意がある」との姿勢を示した。
これを受けドル・スイスフランが上昇したため、対円でもドル買いが入った。SNBの無制限介入方針を背景に、日本政府・日銀による円売り介入への警戒感が高まったことも相場の重しとなり、一時77.738円まで値を下げた。その後は目先の材料に一喜一憂する狭いレンジでの取引が続いた。
来週、米国では13日に8月輸入物価指数、8月月次財政収支、14日に8月卸売物価指数(PPI)、8月小売売上高、7月企業在庫、15日に8月消費者物価指数(CPI)、9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、4-6月期経常収支、8月鉱工業生産、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、16日に7月対米証券投資、9月ミシガン大学消費者態度指数速報値などが公表される。
一方、日本では12日に8月4日の日銀金融政策決定会合議事要旨、7-9月期法人企業景気予測調査、7月第三次産業活動指数、8月国内企業物価指数、14日に7月鉱工業生産確報値などが公表される。
米国では重要指標の発表が相次ぐ。米実体経済の先行きを占ううえで8月小売売上高や8月鉱工業生産を確認する必要があるほか、インフレ動向を確認するために8月PPIや8月CPIなどの物価指標に注意したい。
特に8月小売売上高には注目だろう。7月小売売上高は好調な結果となり、個人消費支出の持ち直しを示唆したものの、市場では「雇用・所得環境の弱さと足もとの株価の下落による逆資産効果が影響し、8月に入って消費の持ち直しは失速したようだ」との指摘があった。「構造問題を抱える個人消費の弱さが引き続き懸念される」という。
来週の円相場は1ドル=77.00-78.00円でのレンジ取引となりそうだ。欧州債務危機で悪影響を受けやすい欧州系銀行に資金調達難の観測が浮上しており、ユーロ安・ドル高が進みやすい状況だ。くわえて、SNBが追加の通貨高抑制策を発表したため、ドル・スイスフランは底堅い。主要通貨に対してドルが買われやすいだけに、円・ドルの上値は重いとみる。
半面、日銀は6-7日に開いた金融政策決定会合で、追加緩和策を見送った。米経済指標が悪化し、米追加緩和への期待が高まれば円高・ドル安が進みやすい。需給面では、77円台後半から78円台にかけて日本の輸出企業からの円買い・ドル売りオーダーが観測されており、相場を下支えする要因になる公算が大きい。なお、市場関係者からは「20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた思惑などで、相場は不安定になる可能性もある」との声が聞かれた。
(グローバルインフォ株式会社)