
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
07月15日 15時32分
来週の相場見通し/調整週、電力不足対策の工程表関連銘柄に短期資金は流入
来週の日経平均は、米株が急騰したり、円相場が急激に円安に振れない限り、調整する見通し。想定レンジは9553.69円(6月SQ値)~10049.92円(3月14日高値)。米株が調整色を強めるようなら、6月SQ値付近までの下落を警戒するが、調整のミニマム・ターゲットは、6月17日から7月8日までの上げ幅889.29円の半値押しの9763.27円だ。
日経平均は6月17日の9318.62円を起点に7月8日の10207.91円まで上昇した。大震災が発生した3月11日の終値が10254.43円。市場では、3月11日と14日とで空けた窓(10049.92円~10254.43円)埋めが、一応の戻りメドとして意識されていたので、8日までの上昇で、予想された戻りはほぼ達成されとみている。このため、当面の日経平均は、8日までの上昇で過熱したテクニカル指標を冷ます調整を続ける見通しだ。
なお、相場が急落するようだと日銀のETF買い入ることが予想される。これはこれで需給面及び心理面で市場をサポートし続けることになる。このため、外部環境が想定を超えて悪化したり、東日本大震災級の天災が発生しない限り、今回の調整はあくまでも「健全な調整」の範囲に収まるとみている。
だが、原発を巡る、行き当たりばったりの政府のエネルギー政策のせいで、わが国の電力不足が深刻化・長期化する可能性が高まった。九州電力玄海原子力発電所2、3号機の運転再開を巡る「やらせメール」問題と、原発のストレステストを巡る混乱を受け、万が一、12年5月に国内全54原発が止まった場合、電力不足は今年の夏よりも来年夏の方が深刻化する。
また、経済産業省の試算では、全原発を火力発電で代替すると発電コストは3兆円以上増加するという。当然、これはわが国の生産コスト増加に直結し、製造業を中心に収益を圧迫することになる。また、国内の設備投資計画も下方修正され、産業の空洞化リスクが高まることになる。つまり、この電力不足問題がクリアにならない限り、日本株の上値は相当重く、限定的とみておく必要がある。
なお、政府が検討している当面の電力不足対策の工程表原案では、今冬までの短期の対策として、家電エコポイントの復活や消費電力を制御する機器の普及で利用者側の省エネ対策を支援などが挙がっているという。
新しい家電エコポイントでは、LED照明を新たに対象に加え、「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)」など省エネ設備への適用も検討し、太陽光による発電や夜間電力など余った電力を蓄えるため、企業・家庭向けに蓄電池購入の補助金も導入するという。このため、来週は、これらに関連する企業群に短期資金の流入が期待できるとみる。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)