
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
07月15日 15時34分
来週の為替見通し/1ドル=77.00-80.00円で上値を試す展開
今週の円相場は堅調だった。8日発表の6月米雇用統計が低調な結果となったことで、米雇用回復をめぐる不透明感が改めて強まりドル売りが進んだ流れを引き継いで始まった。ギリシャの債務問題がイタリアなどにも波及するとの警戒感から欧米株価が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買いが広がった。
また、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は13日の米下院での議会証言で、追加金融緩和の可能性を示唆。さらに、米格付け会社ムーディーズが米国の格付け「AAA」を引き下げ方向で見直すと発表したため、円高・ドル安が加速し一時3月17日以来の高値となる78.45円まで上値を伸ばした。
来週、米国では18日に5月対米証券投資、7月NAHB住宅市場指数、19日に6月住宅着工件数/建設許可件数、20日に6月中古住宅販売件数、21日に前週分の新規失業保険申請件数、5月住宅価格指数、6月景気先行指標総合指数、7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などが発表される。
一方、日本では20日に5月景気動向指数改定値、21日に6月貿易統計(通関ベース)、5月全産業活動指数などが公表される。
米国では重要指標の発表が相次ぐが、特に19日の6月住宅着工件数/建設許可件数に注目したい。バーナンキFRB議長は14日の米上院での議会証言で「住宅市場が、われわれが現在直面している問題のまさに核心にある。住宅市場の弱さは現在のゆっくりとした回復の主な要因の一つだ。景気拡大期には通常、住宅市場が加速し雇用を拡大させるとともに新たな機会を創出するが、それが見られない」などと語った。
米住宅市場の低迷が景気回復の足かせとなっていることは明らかだ。7月NAHB住宅市場指数や6月中古住宅販売件数と合わせて内容を吟味する必要があるだろう。
来週の円相場は1ドル=77.00-80.00円で上値を試す展開となりそうだ。通貨オプション市場で円・ドルの予想変動率(インプライド・ボラティリティー)は強含み。1カ月物アット・ザ・マネー(ATM)は5月9日以来の10%台半ばまで上昇する場面があった。市場ではドルの下値不安が高まっている状況だ。
シティバンク銀行はリポートで「ドルにとって周辺環境は悪化しつつある」と指摘したうえで、「円・ドルはテクニカル的に完全に値を崩したうえ、需給面でも81-82円台の日本の輸出企業の円買いオーダーが80円近くまで上がっており、下値を支える要因となる公算がある」との見解を示している。
もっとも、「今後急速に円高・ドル安が進めば、円売り介入につながる可能性がある」との観測も浮上している。「権利行使価格80.00円のドルのコール(買う権利)オプションを買う動きもみられた」という。持ち高が偏ると反動のエネルギーはたまる。留意はするべきだ。
(グローバルインフォ株式会社)