
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
06月17日 15時34分
来週の為替見通し/1ドル=79.69-81.08円でもみ合いとなりそう
今週の円相場はやや弱含んだ。米長期金利の低下などを受けて一時80.09円まで値を上げる場面もあったが、米小売指標が予想より強い内容だったと分かると円売り・ドル買いが進み、徐々に上値を切り下げた。
ギリシャ情勢の先行きをめぐる懸念から対ユーロなどでドル買いが強まると、対円でもドル買いが入り一時約2週間ぶりの安値となる81.08円まで下げた。ただ、米10年物国債の利回りは昨年12月1日の低水準にあり、一方的に円安・ドル高が進む展開にもならなかった。なお、今週の値幅は99銭程度と小さかった。
来週、米国では21日に5月中古住宅販売件数、22日に4月住宅価格指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)、23日に前週分の新規失業保険申請件数、5月新築住宅販売件数、24日に5月耐久財受注、1-3月期実質国内総生産(GDP)確定値などが発表される。
一方、日本では20日に5月貿易統計(通関ベース)、4月景気動向指数改定値、21日に4月全産業活動指数、24日に5月企業向けサービス価格指数などが公表される。
このほか、19-20日にユーロ圏財務相会合、欧州連合(EU)財務相理事会、23-24日にEU首脳会議などが開かれる。
来週は米金融イベントに注目が集まる。FOMCでは、6000億ドル規模の債券買い入れプログラムの終了を確認する一方、米景気回復が失速している兆しが高まるなか、現行の超低金利政策をしばらく継続する方針をあらためて確認するとみられる。
また、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長はFOMC後の記者会見で、「雇用回復ペースの鈍さに懸念を表明する一方で、さらなる金融緩和に踏み切る考えを示唆することは避ける」とみられている。また、FRBが公表する新たな経済見通しでは、2011年の成長率予測が下方修正される見通し。
来週の円相場は1ドル=79.69-81.08円でもみ合いとなりそうだ。ギリシャのデフォルト懸念や米景気不安の高まりを受けて不安定な値動きも想定されるが、通貨オプション市場では円・ドルの予想変動率(インプライド・ボラティリティー)が9%前後に低下。東日本大震災が発生した3月11日以来の水準まで沈んでいる。円独自の材料は見向きもされず、相場はこう着が強まっている。
たしかに、円の日足チャートを見ると一目均衡表雲の上限をしっかりと上抜けており、テクニカル的には底堅い展開が想定される。米長期金利が低水準で推移を続けるなか、株価が下落すればリスク回避の円買いも入りやすいだろう。
ただ、円の上値では個人投資家からの円売り・ドル買いが出やすい。円が6月初めに79円台まで上昇した場面では個人の円売り・ドル買いが活発化し、東京金融取引所の「くりっく365」のポジションは過去最大に膨らんだ。「個人の売買で過度に変動が押さえ込まれている」という。円を積極的に売買する材料に乏しいなか、こう着状態からは抜け出せそうにない。
(グローバルインフォ株式会社)