
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
05月20日 15時10分
来週の相場見通し/日経平均は9500円~9800円のゾーンで膠着
来週の日経平均は外部環境が大きく変化しないなら、9500円~9800円のゾーンで膠着するとみている。ただし、上値は相当重いだろう。一方、下値に関しては、日銀のETF購入期待があるため、底堅いとみている。だが、万が一、米国株が何らかの理由で急落し、海外投資家が日本株を大幅に売り越してくるようなら、9300円付近までの下落は十分あり得るとみている。
相場の上値を抑制し続けるのが、東電(9501)を中心した電力各社の問題だ。原発事故の損害賠償について、原発を保有する他の電力会社も負担を迫られるとの見方が重荷になっていることに加え、菅首相が18日夕、電力会社の発電部門と送電部門の分離を検討する方針を表明した。このため、今後、電力各社の業績が悪化するとの懸念が強まり、東京株式市場では、電力各社の株価が軒並み下落している。
それだけなく、夏場の電力不足問題は日本全土に拡大しつつある。九州電力(9508)の玄海原子力発電所2、3号機再開の見通しが立たないため、九電が15%を目標に節電を呼び掛けることを決めたのだ。九州では被災地の代替生産でフル操業の工場も少なくなく、製造業中心に相当の悪影響が出る可能性がある。
ちなみに、ゴールドマン・サックス証券は、16日付けレポートで、日本に対する相対スタンスを「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げた。世界経済の見通しが悪化し、国内でもリスク要因がくすぶるなか、外国人投資家のロング・ポジションが拡大し、地域内での相対バリュエーションに割高感が出てきていることが、引き下げの主な理由だという。国内のリスク要因には、サプライチェーンの問題(解消のメドは立ちつつある)、夏場の電力需給、円高などを挙げている。
それでも、来週の下値に関しては、海外投資家が大幅に売り越しに転じない限り、底堅いとみている。5月第2週(9~13日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は28週続けて現物株を買い越した。買越額は796億円。連続する買越期間としては1995年11月第4週~96年5月第4週の27週を上回り、東証によると3市場ベースで統計を取り始めた82年7月以降で最長になった。
ただし、5月第2週(9~13日)の日経平均先物とTOPIX先物の投資部門別売買動向では、海外投資家は2週連続で売り越した。売越額は合計1272億円で、前週の287億円から膨らんだ。つまり、5月第2週は、現物と先物を合算すると、海外投資家は476億円の売り越しだ。よって、早晩、海外投資家の現物株の連続買い越し記録が途切れる可能性が高まったとみておきたい。また、現物と先物を合算した海外投資家の買い越し額が増加しない限り、日経平均が上値を追っていくことはないと考える。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)