
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
04月01日 15時39分
来週の相場見通し/日経平均は「もみあい」をイメージ、好悪材料が綱引き
来週の日経平均は「もみあい」をイメージしている。想定レンジは9300円~10100円程度。メインレンジは今週の取引レンジ(9317.38円~9822.06円)。好材料と悪材料が綱引きする形で、膠着感が強い相場になるだろう。
3月の非農業部門の米雇用者数の市場予想平均は前月比19万5000人増と、2月に続き20万人前後の力強い伸びが見込まれている。失業率の市場予想は横ばいの8.9%となっている。3月が市場予想通りの結果なら、米雇用回復加速を背景とした、量的金融緩和の早期停止の思惑が強まり、米金利上昇、ドル高・円安が予想される。これは日本株にポジティブに作用する見通し。米株には若干ネガティブに作用するだろうが、米景気回復期待を背景に大きく崩れることはないだろう。
一方、国内では、政府が東日本大震災の被災地の復旧に向けた対策の策定を本格化し始めた。日銀も被災地の金融機関を対象に、低金利で資金を貸し出す新制度の検討に入るなど、復興支援に向けた財政・金融当局の動きが加速している。これもポジティブ要因だ。
しかし、深刻な状況が続く福島原発は冷却装置の復旧が可能な作業環境からは程遠い状態だ。また、花見の宴会自粛や入社式の相次ぐ中止など、被災地以外での地域での行き過ぎた自粛ムードが蔓延して、正常な経済活動が阻害され続けている。これは特に、サービス業の業績下振れという形で今後顕在化する公算が大きい。さらに、工場被災による部品不足に加え、計画停電により、東日本中心に製造業の生産活動が正常化していない。これらは日本株の上値抑制要因であり、ネガティブ要因として当分機能し続ける見通しだ。
ただし、日米両政府は3月31日、原発事故を受け、米軍の放射能被害管理の専門部隊「CBIRF」の初動対処部隊約140人を近く日本に派遣させることで合意した。また、仏原子力大手アレバも、汚染水処理など約20人の専門家を派遣する意向を表明している。このような、わが国の原発事故に対する国際的な支援の具体化は、安心材料であり、相場を下支えることが期待される。原発問題が現状よりも急激に悪化せず、小康状態なら、当面の日本株の急落リスクは大幅に低下するだろう。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)