
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月25日 15時18分
来週の相場見通し/日経平均の想定レンジは9000円~9800円程度
25日、経済産業省の原子力安全・保安院は、「3号機では原子炉のどこかが損傷している可能性が十分にある」と述べて、放射性物質を閉じ込める機能が低下し、原子炉から放射性物質が外に漏れ出しているという見方を示した。また、作業員3人が被ばくした福島第一原子力発電所の3号機で、被ばくの原因となった水から運転中の原子炉の水のおよそ1万倍の濃度の放射性物質が検出された。
そして、枝野官房長官は、屋内退避の指示が出ている福島第一原子力発電所の半径20キロから30キロの範囲の地域について、必要な物資が届かず日常生活が困難になってきているとして、住民に自主避難を促すとともに、避難指示が出たら速やかに避難できるよう地元自治体に準備を指示したことを明らかにした。このように原発事故が予断の許せない状況であり、これが引続き、日本株の上値を圧迫することだろう。来週の日経平均の想定レンジは9000円~9800円程度だ。
なお、週明け28日は3月決算企業の権利付き売買最終日のため、そこまでは売り圧力が弱いだろう。一方、期末要因で証券自己などはオーバーナイトのポジションを持ち越さないことが予想され、活発な商いは期待薄だ。特に、この影響は震災復興や原発事故をキーワードに物色された企業群の下落要因になる公算が大きい。なぜなら、震災復興や火力発電(石炭)、自家発電、代替エネルギー、土壌浄化、水質浄化関連の、時価総額が小さい、低位材料株の多くは、証券自己とデイトレーダーが中心になって相場にしたためだ。
一方、下値は海外投資家の買いが期待できるため、限定的とみている。むろん、原発事故がさらに深刻化するようだと、その限りではない。しかし、多少スピード感に乏しくても解決に向かう、または、小康状態を保っているならば、恐怖心を伴うような下落はないだろう。なお、原発事故が根本的に解決(安定冷却)されない限り、福島を中心に首都圏も核に汚染され続けることは不可避だ。この汚染に関しては、(どの分野に対しても深刻であることはいうまでのないが)特に、水の汚染に対して市場は神経質になる可能性が高いとみている。
ところで、3月第3週(14~18日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家が日本株を20週連続で買い越した。買越額は9552億円と、2004年3月第1週の9678億円に次いで過去2番目の大きさだった。しかし、日経平均が9500円程度まで戻ったため、海外投資家の買いの勢いはやや鈍った感がある。海外投資家が上値を積極的に買わない限り、日経平均は現在水準で膠着する公算が大きい。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)