
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月11日 16時00分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=82.00-84.50円を想定
今週の円相場は弱含んだ。ギリシャやスペインの格下げを受けて欧財政問題が改めて意識されるなか、11日の欧州連合(EU)緊急首脳会議を前にユーロ・ドルが下落。ユーロ安・ドル高につれる格好で対円でもドル買いが優勢となり、一時83.17円まで値を下げた。米著名シンクタンクが「米連邦準備理事会(FRB)当局者の間で超低金利政策の見直しを求める声が高まっている」として、「次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、これまで声明に盛り込まれてきた『長期にわたる』との文言が削除される可能性がある」とのリポートを発表したこともドルの追い風となった。11日には宮城県北部で震度7の地震が発生したことを受けて円売り・ドル買いが加速。一時2月22日以来の安値となる83.299円まで下げる場面が見られた。
来週、米国では15日に3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、2月輸出入物価指数、1月対米証券投資動向、3月NAHB住宅市場指数、FOMC政策金利、16日に2月住宅着工件数/建設許可件数、2月卸売物価指数(PPI)、10-12月期経常収支、17日に2月消費者物価指数(CPI)、2月鉱工業生産、2月景気先行指標総合指数、3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などが発表される。
一方、日本では14日に1月鉱工業生産確報値、2月消費者態度指数、16日に1-3月期法人企業景気予測調査、17日に1月第三次産業活動指数、18日に2月14-15日分の日銀・金融政策決定会合議事要旨、1月景気動向指数改定値などが公表される。また、日銀は14-15日に金融政策決定会合を開く。
来週は15日のFOMCに注目が集まる。ダラス、アトランタ、シカゴの米地区連銀総裁3人は7日、6000億ドルの国債購入プログラムの終了や追加措置の是非についてさまざまな見解を表明したが、「早急な追加策の必要性に関してはほとんどない」との認識をそろって示した。今後はFRBによるQE2(量的緩和第2弾)後の金融政策の行方を探ることになりそうだ。一方、日銀が開く金融政策決定会合については、「景気の踊り場脱却が鮮明になりつつあるため、日銀は当面様子見を続ける」との見方が強い。
来週の円相場はやや弱含むと予想する。ある市場関係者からは「QE2が6月末で予定通り終了すると市場が織り込めば、昨年後半以降のドル安要因がひとつ解消され円・ドルは下落する可能性がある」との声が聞かれた。市場の一部では「3月決算期末に向けた日本の輸出企業や機関投資家の対外資産引き揚げ(リパトリエーション)も、あまり大きな円高圧力を生まない」との見方もあった。
半面、ドル安要因も根強く残っている。中東・北アフリカ情勢の混迷で原油価格が上昇すればドル安につながるほか、投資家がリスク回避姿勢を強めれば安全通貨としての円は買われやすくなる。次回FOMCに向けて憶測や思惑が交錯するなかで、円はじりじりと上値を切り下げそうだ。なお、レンジは1ドル=82.00-84.50円を想定している。
(グローバルインフォ株式会社)