
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
08月27日 15時25分
来週の為替見通し/円高・ドル安のペースは緩慢になると予想
今週の円相場は底堅く推移した。週明け23日の菅首相と白川日銀総裁の電話会談で、具体的な円高対策が出されなかったことを理由に円買いが先行。世界景気の先行き不透明感を背景に、株価が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強めるとの見方から円買いが進んだ。
日本の当局者からは円高をけん制する発言が相次いだものの、「為替介入に踏み込めないことが市場に見透かされている」として円買いは加速。一時1995年6月以来の高値となる83.58円まで値を上げた。
ただ、その後は「日銀は追加的な金融緩和策の検討に入った」「財務省は円高に歯止めがかからない場合、日本単独での円売り・ドル買いの為替介入を視野に入れる」との報道を受け、円買いにやや慎重な雰囲気が広がったため84円台後半まで伸び悩んだ。
来週、米国では30日に7月個人消費支出(PCE)、31日に6月ケース・シラー米住宅価格指数、8月シカゴ購買部協会景気指数、8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、8月10日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、9月1日に8月ADP雇用統計、8月ISM製造業景況指数、7月建設支出、2日に4-6月期非農業部門労働生産性改定値、7月製造業新規受注、7月住宅販売保留指数、3日に8月雇用統計、8月ISM非製造業景況指数(総合)などが発表される。
また、ブラード米セントルイス連銀総裁やフィッシャー米ダラス連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、ピアナルト米クリーブランド連銀総裁、ロックハート米アトランタ連銀総裁などの講演が予定されている。
一方、日本では31日に7月商業販売統計速報、7月鉱工業生産速報値、7月毎月勤労統計調査、7月新設住宅着工戸数、9月2日に8月マネタリーベース、3日に4-6月期の法人企業統計調査(法人季報)などが公表される。
来週の経済指標では、31日のFOMC議事要旨や9月1日の8月ISM製造業景況指数、3日の8月雇用統計、ISM非製造業景況指数などに注目が集まる。特に8月雇用統計は相場への影響度が高い。現時点の予想では、失業率が前月の9.5%から9.6%へ上昇し、非農業部門雇用者数変化が前月の13.1万人減から10.6万人減へ改善する見込みとなっている。
来週の円相場は、緩やかながらも上値を試す展開となりそうだ。市場では、今週発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回ったことを背景に、米景気の先行き懸念が強まっている。米当局による量的緩和の拡大の思惑が広がりつつある状況では、今後もドル売り圧力が持続することになるだろう。
くわえて、世界的な株価の下落が続けば、安全資産と位置付けられている円は買われやすくなる。
一方、日本当局が為替介入を実施するとの警戒感や、追加的な金融緩和への期待は残る。このため、円高・ドル安のペースは緩慢になると予想する。なお、レンジは1ドル=83.00-86.00円を想定している。
(グローバールインフォ株式会社)