
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
07月30日 15時02分
来週の相場見通し/新たな悪材料が飛び出さなければ、ボックス圏内の動き
来週の株式市場は引き続き、米株や円相場の動向に神経質な展開を余儀なくされるでしょう。3月決算企業の第1四半期決算は概ね良好です。しかし、市場は下期以降の業績鈍化を懸念しています。特に、円高と欧米の景気鈍化の影響への懸念が強まっています。このため、割安なバリュエーション面を手掛かりに、指数が上値を追っていくことはないとみています。
なお、UBSは28日付リポートで、日本株の投資判断を「オーバーウエイト」から「アンダーウエート」へ引き下げました。デフレ傾向や参院選の与党大敗で政策の不透明感が高まっていることに加え、企業のROEの低さ、国としての成長率の低さなどを指摘しています。ご指摘ごもっともであり、日経平均の上値余地は限定的とみておく必要があります。
ところで、外国為替証拠金取引(FX)については、これまで取引金額に対して証拠金の額に法律上の定めがありませんでしたが、今般の内閣府令の改正により、10年8月1日以降、新規建玉時に取引額の2%以上(レバレッジ50倍以下)の証拠金をFX業者が預かることが義務付けられます。また、この比率は、新規建玉時のみならず建玉を保有する期間も毎営業日の定時判定時刻に預かることが義務付けられています。
この規制導入により、逆張りを好む個人投資家の動きが鈍り、相場が一方方向に走り易くなり、円高が加速する可能性があります。特に、導入直後はその影響が強くなるかもしれません。
一方、米セントルイス連銀のブラード総裁は29日発表した論文で、米経済について「デフレに苦しむ日本型に歴史上で最も近づいている」と指摘し、強い警戒感を示しました。また、ベージュブックでは、全米全12地区連銀の管轄地域のうち4地区の経済活動が「鈍化」ないし「横ばい」でした。足元の米景気の回復鈍化を改めて示しました。よって、中期的なドル安基調は続く見通しです。これも日本株の上値抑制・下落要因として機能し続けるでしょう。
なお、直嶋経済産業相は30日の閣議後の記者会見で9月末に期限切れの「エコカー補助金制度」を打ち切ると正式に表明しました。同時に、来年度の補助金制度は見送るとの見解も示しました。9月末までの駆け込み需要、その後の反動減が懸念されます。
確かに、景気の悪い話ばかりですが、そうは言っても、新たな悪材料が飛び出さなければ、来週の日経平均はボックス圏内の動きでしょう。想定レンジは9176.12円(7月22日安値)~9760.31円(7月28日高値)です。5日移動平均線(30日現在、9597.42円)を下回れば、ボックス下限を目指し、上抜ければ上限を目指すとみます。そのカギを握るのが、まずは円相場、次に、米株という、相変わらずの外部環境次第だと考えます。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)