とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/米国株の大幅反落と為替市場の円高を嫌気 - カブ知恵速報

５日の米国株式市場は大幅に反落した。ＮＹダウは前日比281.40ドル安の6594.44ドルと、 97年4月以来、約12年ぶりの安値を更新した。ナスダック総合指数は同54.15ポイント 安の1299.59ポイントと、03年3月以来初めて1300ポイントを割り込んだ。Ｓ＆Ｐ500 種株価指数は30.32ポイント安の682.55ポイントと、96年9月以来の安値で取引を終えた。

ＳＥＣに提出した年次報告書に経営リスクとして「事業継続能力に疑念がある」と記した ことで、ＧＭが急落した。また、前日にムーディーズがバンク・オブ・アメリカやウェル ズ・ファーゴの格付けを引き下げ方向で見直し、ＪＰモルガン・チェースの格付け見通し を「ネガティブ」に引き下げたため、銀行株に売りが膨らんだ。

欧州では、イングランド銀行とＥＣＢが、政策金利の0.5％引き下げを決定した。イングラ ンド銀行は英国債の購入を通じて市場に資金を供給する量的緩和策の実施を表明した。引 き下げ後の政策金利の水準は英国が年0.5％、ユーロ圏が年1.5％となった。トリシェ総裁 は会見で、追加利下げの可能性を示唆した。

ＮＹ円相場は３日ぶりに反発した。前日比1円05銭円高・ドル安の1ドル＝98円00-10 銭で終えた。円は対ユーロで3日ぶりに反発した。前日比2円60銭円高・ユーロ安の1ユ ーロ＝122円90銭-123円00銭で終えた。

シカゴ日経平均先物は7225円大証終値比185円安だった。本日の東京株式市場では、米国 株の大幅反落と為替市場の円高を嫌気した売りが先行する見通し。日経平均の想定レンジ は7100円～7600円程度。信託銀行経由の年金買いが相場をサポートするだろう。しかし、 今晩の米雇用統計と、それを受けた米国市場の反応を見極めたいというムードが強まるた め、膠着感が強まる見通し。週末要因も重なり、軟調なもみあいを想定する。 （株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）