とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/米株の大幅下落を嫌気した売りが先行 - カブ知恵速報

２日の米国株式市場は４日続落した。NYダウは前週末比299.64ドル安の6763.29ドルと、 97年４月以来約12年ぶりの安値で取引を終えた。ナスダック総合指数は54.99ポイント安 の1322.85ポイントだった。AIGの巨額赤字が嫌気された。

AIGは、第４・四半期の純損失が617億ドルに達したと発表した。これは米国の企業史上 過去最大の赤字だという。なお、２日、米財務省とＦＲＢは、ＡＩＧに対し、300億ドルの 追加支援を行うと発表した。米政府によるＡＩＧ支援は、昨年秋以来３度目だ。

一方、NY債券相場は５日ぶりに急反発した。10年物国債利回りは前週末比0.14％低下し、 2.87％で取引を終えた。金融システム不安の強まりを背景に、株式相場が急落したため、安 全資産としての債券に資金が流入した。

NY円相場は続伸した。前週末比10銭円高・ドル安の1ドル＝97円40-50銭で取引を終え た。円は対ユーロでも続伸した。前週末比1円10銭円高・ユーロ安の1ユーロ＝122円50-60 銭で取引を終えた。１日のＥＵの緊急首脳会議で、ハンガリーが提案した中東欧の金融安 定化対策が主要国に拒否されたことで、ユーロ圏の金融危機拡大の見方が強まっている。 シカゴ日経平均先物は7070円大証終値比180円安だった。

本日の東京株式市場では、米株の大幅下落を嫌気した売りが先行する見通し。日経平均は 7000円の攻防が予想される。日経平均の想定レンジは6800円～7300円程度。正直、買い 材料がほぼ皆無であり、買い手も見当たらない。売り手は引き続き外国人と、追証発生・ 回避に伴う個人信用が想定される。このため、信託銀行経由のGPIF（公的資金）がPKO 的な買いを入れない限り、日経平均は昨年10月28日のザラ場安値6994.90円を割り込む 可能性が高い。（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）