とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/資金繰りに懸念のある企業中心に、売り圧力が強まる - カブ知恵速報

23日の米国株式市場でＮＹダウは３日続落した。前週末比250.89ドル安の7114.78ドルと 97年５月以来、約11年9カ月ぶりの安値で終えた。ナスダック総合指数は６日続落し、同 53.51ポイント安の1387.72ポイントで取引を終えた。Ｓ＆Ｐ500種株価指数も743.33ポ イントと、97年4月14日以来の安値だった。

財務省やＦＲＢ、などが、「政府は、経済成長回復に向けたクレジット供給に必要な銀行の 資本・流動性を確実にしていく。さらに、システム上重要な金融機関の存続を維持する決 意をあらためて表明する」と声明を発表した。しかし、世界的な景気悪化や、企業決算・ 業績見通しの不振が目立つことが嫌気され、株式は売られた。

ＮＹ円相場は急反落した。前週末比1円25銭円安・ドル高の1ドル＝94円55-65銭で取 引を終えた。円は対ユーロで４日続落した。前週末比40銭円安・ユーロ高の1ユーロ＝120 円05-15銭で終えた。金先物相場は反落した。４月物は前週末比7.2ドル安の1トロイオ ンス995.0ドルで終えた。シカゴ日経平均先物は7180円大証終値比200円安だった。

23日付けでロイターは、「ＡＩＧは、追加の公的資金注入の可能性をめぐり米政府と協議し ている。同社は第４・四半期に600億ドル近い損失を計上する見込み。関係筋が明らかに した。米政府とは債務の株式交換なども話し合われているという。同筋は、状況は流動的 で他の選択肢も協議されており、どのような結論に至るかは不透明だとした。」と報じてい る。

米国発で次から次への懸念材料が出てくるため、本日の東京株式市場は軟調な展開を余儀 なくされよう。日経平均の想定レンジは6800円～7300円程度。また、国内でも企業間金 融が極度の緊張状態になっている。資金繰りに懸念のある企業中心に、本日は売り圧力が 一段と強まる公算が大きい。（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）