とれまがファイナンス - 来週の相場見通し/日経平均で8000円±500円の狭いレンジでのもみあいを想定 - カブ知恵速報

来週の東京株式市場は、日経平均で8000円±500円の狭いレンジでのもみあいを想定する。

テクニカル的には25日移動平均線（13日現在、8083.98円）を超えない限り、軟調なもみ あいが継続しよう。25日移動平均線を上抜けるためには、米国株の安定的な上昇と為替市 場での一段の円安が必要とみている。

政治が混迷の度合いを深めていることもあり、内部環境では、相場全体を押し上げたり、 押し下げたりする材料は特に見当たらない。このため、東京株式市場は、外部環境次第の 自律性の乏しい相場が続く見通しだ。

18-19日開催の金融政策決定会合で、日銀は企業の資金繰り支援策を拡充するという。社債 などを担保に低利で貸し出す制度やコマーシャルペーパー（ＣＰ）の買い取りについて、 年度末対策として設けた期限を延長するとみられる。これ自体は、株式相場にとってポジ ティブであるが、新味に乏しい内容のため相場を押し上げるには力不足とみている。

また、16日には、昨年10-12月ＧＤＰ（1次速報)が発表される。市場コンセンサスは前期 比マイナス3.0％減、年率はマイナス11.6％だ。市場は年率で２桁マイナス成長を織り込ん でいる。発表数値が多少下振れしたところで、ネガティブ・サプライズを伴う動きにはな りそうにない。逆に、多少上振れたところで、足元のマクロ環境が悪化していることもあ り、ポジティブな反応も限定的とみている。

ところで、下方修正ラッシュの結果、日経平均の12日時点でのＥＰＳは129.79円にまで 低下した。8000円でＰＥＲは61.6倍に達することになる。バリュエーションからは、とて もでないが買える水準ではない。

しかし、信託銀行経由のＧＰＩＦ（公的資金）のＰＫＯが続く限り、下値は限定され続け る見通しだ。

一方、２月１-７日の対内株式は、海外からの取得２兆7842億円に対し処分が３兆616億 円で、差し引き2773億円の資本流出超だった。外国人投資家による売り越しは10週連続 だ。外国人投資家の売りが続く限り、需給は悪い状況が継続し、相場の上値は限定される だろう。（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）