とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/急落回避も、軟調なもみあい想定 - カブ知恵速報

11日の米国株式市場は３日ぶりに反発した。ＮＹダウは前日比50.65ドル高の7939.53ド ル、ナスダック総合指数は5.77ポイント高の1530.50ポイントで取引を終えた。前日の大 幅下落の反動で小反発した。

前日10日の米国株式市場は大幅に続落した。ＮＹダウは前日比381.99ドル安の7888.88 ドル、ナスダック総合指数は66.83ポイント安の1524.73ポイントで取引を終えた。ガイ トナー米財務長官は10日、官民投資ファンドを新設し最大1兆ドルの不良資産を買い取る ことや、ＦＲＢによるターム物資産担保証券貸出制度（ＴＡＬＦ）拡大の支援などが柱と なる新たな金融安定化策を発表した。

しかし、官民投資ファンドへの出資に応じる金融機関名、出資比率や、不良資産買い取り 価格の決定方法など詳細が示されなかったことに、市場は失望した。一方、米上院が本会 議で、総額8000億ドル規模の景気対策法案を可決した。同法案に関しては、これから下院 との協議会で一本化作業が始まることになる。両院協議会の調整は難航が予想され、オバ マ大統領が公約する16日までの法案成立については、予断の許せない状況だ。このため、 10日も、11日も、景気刺激策の上院可決は、特に好材料視されなかった。

11日ＮＹ円相場は小幅に３日続伸した。前日比05銭円高・ドル安の1ドル＝90円35-45 銭で取引を終えた。円は対ユーロで小幅に続伸。前日比15銭円高・ユーロ安の1ユーロ＝ 116円60-70銭で取引を終えた。シカゴ日経平均先物は7805円と、10日の大証終値比145 円安だった。

米国株が小反発したことや円相場が膠着しているため、本日の日経平均は急落だけは免れ そう。ＧＰＩＦ（公的資金）も買い支えるだろうし。想定レンジは7500円～8000円程度。 米金融安定化策は政策当局は準備不足だし、景気対策も共和党がまたまた強力に抵抗する 可能性が高まっている。これでは米株式市場にしても、ドル相場も非常に不安定になる可 能性が高い。よって、輸出関連株中心に売り圧力が強まる見通しだ。 （株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）