とれまがファイナンス - 本日の相場見通し/買い方の追証発生・回避に伴う投げ売りは要警戒 - カブ知恵速報

23日の米国株式市場は大幅続落、ＮＹダウは前週末比101.11ドル安の12721.46ドル、ナスダック総合指数は同35.15ポイント安の2890.15ポイントで取引を終えた。恐怖指数（ＶＩＸ指数）は同2.35（14.44％）高の18.62だった。スペインが全面的な国家支援の要請に踏み切らざるを得なくなるとの観測や、通称トロイカの代表団のアテネ入りを24日に控え、ギリシャのユーロ離脱観測が再燃したことなどが、嫌気された。中国の金融当局者が同国の経済成長は一段と鈍化する可能性があると述べたと伝わったことも悪材料になった。

ＮＹ円相場は４日続伸し、前週末比５銭円高・ドル安の１ドル＝78円35～45銭で取引を終えた。円は対ユーロで４日続伸し、前週末比45銭円高・ユーロ安の１ユーロ＝94円95銭～95円05銭で取引を終えた。

ＮＹ原油先物相場は大幅に下落した。ＷＴＩ期近の９月物は前週末比3.69ドル安の１バレル88.14ドルで取引を終えた。ＮＹ金先物相場は３日ぶりに反落した。８月物は前週末比5.4ドル安の１トロイオンス1577.4ドルで取引を終えた。

シカゴ日経平均先物（円建て）９月物は8465円大証清算値比45円安だった。

日本時間24日６時前にムーディーズは、いずれも最上級「Ａａａ」の格付けのドイツとオランダ、ルクセンブルクの格付け見通しをそれぞれ「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。

ユーロ安に歯止めが掛からず外部環境が悪化を続け、日本株を取り巻く環境は良くない。多くの投資家はリスクオフのスタンスを続ける見通し。日経平均の想定レンジは8400円～8600円程度。日本時間11時30分にＨＳＢＣが中国の７月の製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）速報値を発表する。この内容と、それを受けての上海株と円相場の動向が、日経平均に影響を及ぼすかもしれない。だが、夕方には７月の独仏やユーロ圏のＰＭＩ速報値が発表される予定でもあり、東京時間だけでは、世界のＰＭＩを織り込むことは無理だ。

相場がここまで崩れ、先安観が一段と強まったことで、信用買い方の追証発生・回避に伴う投げ売りは要警戒だ。とりわけ、個人投資家の関与率の高い材料株や、新興市場銘柄などのナイアガラ発生が怖い。一方、主力株については、ＴＯＰＩＸで700ポイント付近では、ＧＰＩＦ（年金積立金管理運用独立行政法人）のリバランス買い、投資信託や機関投資家の押し目買いが入ることが予想され、一方的な急落は回避されよう。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）