とれまがファイナンス - 来週の相場見通し/引き続き外部環境で上下 - カブ知恵速報

来週の東京株式市場は引き続き外部環境で上下することでしょう。特に、ギリシャ問題等ユーロ圏の動向の影響を、直接的、間接的に受けることになるとみています。日経平均の想定レンジは9800円～10400円程度です。

外部環境が落ち着いても国内金融・事業法人の持ち合い解消売りが一巡しないと、相場全体の上値は限定的でしょう。しかし、外部環境が落ち着いた状態で、持ち合い解消売りが一巡するようなら、レンジを切り上げる可能性は高まってくると考えています。

ところで昨今、市場の一部では、原油価格の回復を背景に中東マネー（オイル・マネー）の日本株への流入観測が囁かれています。真偽の程は分かりませんが、仮に、オイル・マネーの流入が今後も続くようなら、日本株の強力な下値支え要因として期待できそうです。

また、日経平均が１万円を割り込むような局面では、逆張り投資を好む個人投資家の買いも期待できそうです。

ただし、オイル・マネーも個人マネーも、上値をドンドン追っていく投資主体ではないないため、相場全体の反発基調が強まり、トレンドが発生するためには、売り方の買戻しが加速することが必要です。

売り方の買戻しは、少なくとも、日経平均が５日移動平均線（26日現在、10235.87円）を終値で上抜けることが最低限必要です。下回って推移する限り、売り方優位の状況が続き、調整色の強い相場が継続すると覚悟しておく必要があります。

週末には米雇用統計の発表が予定されています。足元、雇用関係の悪材料が飛び出すと、米国株式市場がボラタイルな動きなることが多々あります。このため、週後半にかけては、これに対する警戒感が強まり、様子見気分が強まる可能性もあるでしょう。ですが、ＶＩＶ指数（恐怖指数）は低位で推移しています。よって、米株に関しては、ＶＩＸが上昇基調を強めない限り、弱気にはみていません。

なお、25日、ウォールストリート・ジャーナル紙が、一部の大手ヘッジファンドが、ギリシャの債務危機を理由に、ユーロ売りのポジションを膨らませていると報じているそうです。彼らの思惑通り動かず、売りポジションの買戻しを余儀なくされるようなら、ユーロの急激な巻き戻しが起こる見通しです。同時に、世界的にリスク許容度が高まり、世界同時株高となる公算です。発生確率は高くないでしょうが、仮に、そのようなことが生じても驚きはありません。（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）