10月31日 11時52分
ソフトバンクの業績予想開示に意味あり
ソフトバンク株が久しぶりにソフトバンク株らしい動きになっている。ソフトバンク株らしい動きとは、個人投資家の大量買いを集め急騰する上がり方だ。
そうなるベースとして孫社長が記者会見場で笑顔とともに未来を語ってくれなくてはならない。個人投資家の脳裏には、いわゆるITバブル期、孫社長が現れて新たなアイディアを事業方針を語るたびに株価が上った記憶がまだ脳裏に染みついているからだ。
ところがここ数年、ソフトバンク株は投資家の期待を裏切る動きを続けてきた。私も時々推奨銘柄として取り上げたことがあるが、残念ながら結果は思わしくなかった。市場はボーダフォンの買収をはじめ、携帯電話の販売首位などの好材料があっても、それをマイナスに見続けてきた。その背景には私にいわせると、外資系証券による悪意とも取れるような観点からの厳し過ぎる内容のレポート攻撃がたびたび繰り返されたこと。これが大きい。
この点は最近まで変わらず、株は8月11日以降、ただただ売られ続けてきた。売りの根拠としてあげられていたのは約2・5兆円という借入金の多さだった。しかし29日、この点について孫社自ら説明があった。10年内に完済可能というのだ。それを疑うことは出来る。早くも「不可能なことをよく口にする」という厳しい評価も聞かれるようになっている。
それでも私が好評価したいのは、孫社長が明確に方向性を示したことだ。実際に10年で完済が可能かどうか。正直なところ分からない。2009年3月期はフリーキャッシュフローが1400億円の黒字になる見込みとのことなので、このペースを維持出来るなら不可能ではない。この程度の予想しか出来ないのが実際だ。
しかし今回私がもっと好評価したいのは、ソフトバンクが業績予想の開示をしなかった方針を転換したこと。これになる。海外企業は予想を開示しないのが普通だ。ソフトバンクもそれに習い、開示して来なかったのだが、今回急遽開示に転換したのは最近株価の下げが止まらなくなったため、やむなく行なったのだろう。
これが今日の株価に大いにプラスしているのは明らかだ。日本企業は予想を出すことで、それに向かって経営努力する。それにより収益が伸びる傾向がある。予想数値が努力目標になるのだ。
ソフトバンクの業績予想開示への転換。その決断は孫社長が政治家なら増収増益を公約したようなものになった。株価は目先は利食い売りに押される場面もあろうが、これまでとは異なる展開を見せることになりそうだ。
もちろん懸念材料はある。現在首位を走っている携帯電話販売が落ち込んだり、2位に転落する。こんなことになると株価は10月28日につけた636円の安値を割り込む恐れもある。(執筆者:北浜流一郎 株式アドバイザー)
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